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H・ヴィエイラが決勝に導く一撃「味方のために走る気持ちを忘れなければ優勝できる」

横浜F・マリノスのウーゴ・ヴィエイラ。(C)SAKANOWA

準決勝2試合連続ゴール。チームの一体感に手応えを得る。

[ルヴァンカップ 準決勝 第2戦] 横浜FM 2-2 鹿島/2018年10月14日/ニッパツ三ツ沢球技場
※2試合トータル4-3で、横浜FMが決勝進出。

 横浜F・マリノスが準決勝第2戦を2-2で引き分け、2試合トータルスコア4-3で17年ぶりの決勝進出を果たした。決勝は10月27日午後1時5分から埼玉スタジアムで行われる。

 価値ある先制ゴールを決めたのは、横浜FMのエース、ウーゴ・ヴィエイラだった。天野のシュートが相手に当たってこぼれたところを見逃さず、しっかりコントロールしたシュートをゴール隅に突き刺した。

 鹿島の選手たちからは一様に、「立ち上がりの流れは良かった。それだけに先制点を与えたのは大きかった」という声が聞かれた。結果的に試合を大きく左右したゴールとなった。

 プロとしては、レッドスターで2015-16シーズンにセルビア王者に輝いている。そして日本での初タイトル獲得へ、あと1勝に迫った。横浜FMの一員として決勝に臨むのは二度目――今年元日の天皇杯のファイナルでセレッソ大阪に敗れた悔しさ(●1-2)は、今も忘れていない。

 ウーゴ・ヴィエイラは回想する。

「今もあの悔しさは鮮明に覚えているよ。とても悔しかったし、チーム全体が沈んだ気持ちになり、僕自身も試合後は崩壊寸前と言える気持ちになったんだ。だから今度の決勝は、そんなことが決して起きないように、あのときの気持ち踏み台にできれば勝てると思うよ」

 この日は鹿島が2点を返してから試合終了まで、あと1点が転がり込んでしまえば一瞬にして試合がひっくり返ってしまう。そんな胃の痛むような時間が続いた。

「最後はヒヤヒヤしたけれど、それは当たり前。相手は鹿島アントラーズ。難しい試合になるとは覚悟しちえた。でも、しっかり主導権を掴んで、試合を最後までこなすことができたよ」

 ウーゴ・ヴィエイラはそのように勝利を挙げたことで、さらにチーム力に自信を深めていた。そしてルヴァンカップ決勝では、この日のように、全員が全員のために”全力を出す”プレーを継続することが大切だと強調した。

「今までのことを続ければ優勝は見えてくる。モチベーションは高く保てて、チーム一丸となれている。一体感があり、ピッチの中で、味方のために走る気持ちを忘れなければ、必ず優勝できる。(求められる役割について)ゴールだけが、僕の仕事ではない。プレスをかけて、苦しいときに前線でボールをキープし、ファウルをもらうことも含めて、チームのために、すべての仕事をするだけさ」

  準決勝は2試合連続2ゴール。ウーゴ・ヴィエイラが絶好調のまま決勝を迎えそうだ。そして、横浜F・マリノスの背番号7が全力のプレーと痺れる一撃で、クラブに17年ぶり二度目の戴冠をもたらしてくれるはずだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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