心臓手術成功の秋也くん日本代表観戦。原口元気「必ず一緒にボールを蹴ろう」

昨年6月、原口の訪問を受けた菊地秋也くん。写真提供:秋也くんを救う会

原口が2年前に入院先へ訪問。移植手術を乗り越え登校も可能に。

 日本代表の原口元気(ハノーファー96)は10月16日のウルグアイ戦、アメリカで心臓病移植の大手術に成功した菊地秋也くんが埼玉スタジアムに観戦に訪れたという報告を受けた。スタジアムでの対面は果たせなかったそうだが、観戦の報告を受けた原口元気は試合後、「いつか一緒にサッカーをしよう、とかわした約束を果たそう」と秋也くんにメッセージを送った。

 13歳の秋也くん(埼玉新座市)は原因不明の難病「拘束型心筋症」と診断され、国内で5年ほど治療してきたものの心臓の機能が低下してきたため、昨年9月に小児科の心臓移植手術の高い実績で知られるアメリカのピッツバーグに渡った。そして12月16日、ドナー提供者が現れると緊急の大手術が行われた。

 その渡航前の昨年6月、秋也くんが浦和レッズ時代から大ファンだということを知った原口元気が帰国した際、当時入院していた都内の病院を訪問。秋也くんと「いつかサッカーをしよう」と約束をかわした。

 その後、現地に滞在して診療を繰り返しながら、今年6月、無事に帰国を果たした。そしてホームページ「秋也くんを救う会」では、9月から半日ずつだが、学校に通うこともできるようになったと報告をしている。

 そして秋也くんがウルグアイ戦にも観戦に来るという知らせを受けた原口は、次のように語った。

「支援してくれた皆さんに感謝したいですし、まず何より彼自身が頑張ったからこその今だと思います。まだ、『一緒にボールを蹴ろうね』という約束を果たせていないので、いつか必ずやろう。ただ、焦らずに、まずは学校に普段から通えるようなっていってほしいです」

 ウルグアイ戦で原口が出場したのは、試合終了間際の87分から。秋也くんの前でゴールを決めることはできなかったが、プレーする姿を見せることはできた。

 原口は「(ゴールを)見せたかったですけれど、悔しい。ちょっと時間が短かった」と語って苦笑いを浮かべたが、内心は本当に悔しそうだった。それを叶える目標もできた。

アメリカの病後施設で飾られていた、「早くよくなって、一緒にサッカーしよう」と書かれた原口からのメッセージと、サイン入りスパイク。写真提供:秋也くんを救う会

 普段気にかけているわけではない。

 ただ、それにより立場などとは関係なく心のどこかでつながり、触発し合ってきた。そんな2年前にかわした男の約束は、二人が元気であることにより、実現に向かって近づいてきている。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

日本代表でプレーする原口元気。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

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