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”和製スアレス”18歳の宮代大聖がアジア得点王なるか「視界に入れるのは当たり前」

これまで4得点を決めている宮代大聖。逆転得点王へ固め打ちなるか。(C)AFC

U-19アジア選手権、カタールのウマルに3点差。川崎期待のストライカーが準決勝と決勝で逆転を狙う。

[U-19アジア選手権 準決勝] U-19日本代表 – U-19サウジアラビア代表/2018年11月1日/パカンサリ(インドネシア)

 U-19日本代表の若き18歳のストライカー宮代大聖(川崎フロンターレU-18)が”あと2試合”で、U-19アジア選手権の得点王を狙う。

 宮代はこれまで3試合で4ゴールを決めている。グループステージの初戦・北朝鮮戦(〇5-2)では途中出場からチーム4点目を奪取。続く先発したタイ戦(〇3-1)では前半だけで2ゴール。そしてU-20ワールドカップ(W杯)の出場権を獲得した10月28日の準々決勝インドネシア戦では、スタメンの座を勝ち取り、70分に久保建英(横浜F・マリノス)のクロスに合わせて、試合を決定づけるチーム2点目を奪った。出場したすべての試合で得点していることになる。

 通算4ゴールは今大会の準々決勝を終えた段階で単独2位だ。1位はベスト4進出を果たしているカタールのウマルで7得点(4試合出場)。6-5と点の取り合いになったインドネシア戦でハットトリック達成、タイ戦(7EX3)では延長戦に入ってから2ゴールを決めている。

 11月1日の準決勝の対戦相手はサウジアラビアに決まった。世界行きの切符を掴むことはできたが、さらなる強敵と対戦できることを、むしろ宮代は楽しみにもしている。

「チームとして優勝を獲る目標があり、それを達成するためにも結果を出し続けられるように頑張りたいです。(強い相手との対戦は楽しみ)モチベーションも高まります」

 そして得点王について「視野に入れるのは当たり前です。けれど、まずチームのために、献身的に動いて、その中でチームを勝たせるための点を決めたいと思います」と、勝利から逆算したなかで、ゴールを狙っていく。 

 ストライカーの宮代が参考にしている選手は、FCバルセロナのルイス・スアレスとバイエルン・ミュンヘンのロベルト・レバンドフスキだという。

「スアレスとレバンドフスキのプレーをよくチェックしています。自分のプレー自体はスアレスと似ているところがあると思っていて、あとレバンドフスキは『こういうことができたらいいな』と感じられるプレーが多くて好きです」

 確かに高度なテクニックを瞬間的に生かし、さらに突破からでもワンタッチでもゴールを奪える嗅覚や野性味溢れるところは、スアレスと似たところを感じる。

「スアレスはボールを受ける前をはじめオフ・ザ・ボールの動き、ディフェンスとの駆け引きがとても上手で、参考にしています。このあいだのクラシコでも3点を取って、やっぱり結果を残している。僕も(FWとして)結果を残し続けないといけないとは思っています」

 得点王の条件は、複数得点を奪うことになる。何ならハットトリック達成も――。宮代が決めれば、得点王も日本の優勝も一気に近づく。

「結果は出ていますけど、もっともっと決められたし、自分が決めていれば試合展開をもっと楽にできたとも思っています。だから全然満足していません。もっとゴールを奪うことに貪欲になっています」

 川崎U-18の所属ながらすでに今年4月にプロ契約を結び、川崎のトップチームの練習に参加している。リーグ首位を走るチームにあって、まだ出場機会を得られずにいて「本当に悔しい」と言う。この大会での活躍も、あくまでこれから本格的に始まるプロキャリアの布石にすぎない。

 ストライカーとしての感覚を研ぎ澄まして川崎に帰還する。その前に、あと2勝。準決勝、そして決勝へ。宮代のゴールが、日本をアジア王者へと導く。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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