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乾貴士が必要な理由。ロシアW杯日本代表で「7部門1位」を記録

ロシアW杯では攻撃面で突出したデータを残していた乾貴士。写真:新井賢一/(C)Kenichi ARAI

シュート、ドリブルのデータで突出。「経験も必要」な森保監督の意図に合致。

 日本サッカー協会は1月5日、アジアカップに臨む日本代表(1月9日、初戦トルクメニスタン戦)で、MF中島翔哉(ポルティモネンセ)とMF守田英正(川崎フロンターレ)の負傷辞退・離脱に伴い、MF乾貴士(べティス)とDF塩谷司(アル・アイン)を追加招集した。

 乾はべティスで現在、出場機会を得られずベンチスタートの日々が続いている。ただ、Jリーグがオフ期間中であり国内組をすぐには招集できないことも関係。一方、森保一監督はロシア・ワールドカップ(W杯)出場組の「経験も大切」と語ってきた。中島の主戦場とする左ウイング(左サイドハーフ)は、乾が最も得意とするポジションでもあった。まさに今こそ、こうした臨戦態勢にも即対応できる乾の「経験」が買われたと言える。

 乾の日本代表招集はロシアW杯以来である。早いもので半年前まで遡る。

 ただ、その時のデータを振り返ると、改めて乾の貢献度が分かる。

 彼は攻撃の7部門でチーム1位を記録していた。

 もちろん、フィニッシュが求められるポジションであったのは事実だが、そこで期待に応えたからこそ、日本はベスト16に進むことができたと言える。

 乾がロシアW杯の攻撃面で「チーム内1位」を記録したデータを改めて振り返りたい。

▽ロシアW杯/日本代表チーム内ランキング(FIFA=国際サッカー連盟まとめ)
※グループステージと決勝トーナメント・ベルギー戦、計4試合の総数

▼ゴール
ゴール数   得点
1位 乾 貴士 2
2位 大迫勇也 1
2位 原口元気  1
2位 本田圭佑 1
2位 香川真司 1(PK)

▼決定機
ゴール機会(決定機)回数
1位 乾貴士  6
2位 大迫勇也 5
3位 吉田麻也 3
3位 宇佐美貴史 3

▼シュート
シュート数  本数
1位 乾貴士  8
2位 大迫勇也 7
3位 本田圭佑 4

▼枠内シュート
枠内シュート数 本数
1位 乾貴士  4
1位 大迫勇也 4
3位 本田圭佑 3

▼ブロックシュート
ブロックシュート数 本数
1位 乾貴士   2
1位 宇佐美貴史 2
3位 本田圭佑  1 
※3位ほか6人

▼ドリブル
ドリブル数   回数
1位 乾貴士  5
1位 香川真司 5
1位 酒井宏樹 5

▼ドリブル成功
ドリブル成功数 回数
1位 乾貴士  4
1位 香川真司 4
1位 酒井宏樹 4

※参考
▼スプリント数
スプリント数  回数
1位 長友佑都 205
2位 乾 貴士 160
3位 酒井宏樹 149

 ゴールに絡むシュート系はすべてチーム1位を記録している。さらにタイ記録ではあるがドリブル数も。

 また、特筆すべきは、同サイドのSB長友佑都とともにチーム1位、2位を記録しているスプリント数だ。そのグッと初速を加速することによって、日本の攻撃のスイッチを入れていたことが分かる。

 アジアカップでは、W杯とは異なり主導権を握る時間も長くなるだろう。そのなかで打開する「突破口役」として、乾にはドリブルにこだわる姿も見せてもらいたいところだ。

文:サカノワ編集グループ

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