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【日本代表】岡崎慎司のFW魂を伝授された北川航也「追いかけていくだけ」

日本代表の北川航也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

今日アジアカップ初戦。代表ファーストゴールが大先輩の背中を追う号砲となる。

 日本代表のFW北川航也(清水エスパルス)がアジアカップに初めて挑む。

 清水の下部組織出身の北川は、清水の大先輩である岡崎慎司の背中を追いかけてきた。そして2年前に連絡先を交換し合い、2018年10月12日のキリンチャレンジカップのパナマ代表戦でデビュー。その際、小林悠の負傷離脱に伴って日本代表に初招集(追加招集)された時には直接報告もした。

「追加招集で選ばれた時にまず『代表に招集されました』と連絡しました。そこで、おめでとう、一緒にがんばろうと、メッセージをくれました」

 奇遇にも新潟が二人の日本代表デビューの地と重なった。

 北川は両足を使いこなし一瞬で相手を抜き去る駆け引きにも長け、リーチを生かして周囲も生かす。ハードワークちゴール前の“一発”で勝負強さを発揮する岡崎とは、共通点もあるもののストロングポイントがやや異なる。

「(岡崎とは)タイプは少し違います。ただ、ボールに対する執着心や嗅覚、ゴール前に入っていく感覚、学ぶところがたくさんあります。僕にとって必要なところです」

 岡崎から言われ続けてきたことがある。シュートを打ち続けろ、クロスには飛び込め、ゴール前へ入り続けろ、プレスを掛け続けろ――FWとしての忘れてはならない術を伝授されてきたという。

 北川はリーグ戦、2017年の5ゴールから2018年は13ゴールに伸ばした。まさにブレイクを果たした22歳は、さらに進化を続ける。

「結果が出ようが出まいが、やることは変わらず、継続してやっていければと思います。自分もあそこまで(岡崎のように)行けるように、越えられるように、追いかけていくだけです」

 そして北川の日本代表での活躍は、若い選手の多い清水のチームメイトにも刺激を与えている。U-19日本代表に選ばれたMF滝裕太も「航也くん、(立田)悠悟と代表レベルで活躍している。二人ともエスパルスのジュニアユース、ユース出身という点が共通しているので、早く追い付き、追い越せるようにしたい。代表デビュー戦で、航也くんはしっかり結果を残していました。自分を上手く表現できていたと思いますので、僕もそういうところは見習っていきたい」と語っていた。

 北川自身も「清水から一人でも多く日本代表に」と使命感を持って戦う。日本の、そして清水の突破口を切り開く存在になれるか。まずはアジアカップ初戦のトルクメニスタン戦。1月9日、日本時間の午後8時にキックオフを迎える。 

 次なる目標であり通過点は、日本代表での初ゴール。北川はこれまで国際Aマッチ3試合出場してノーゴール。惜しいチャンスは作っている。憧れの大先輩に近づけるように、ファーストゴールがその背中を追う号砲となる。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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