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【パス交換数ランキング】吉田麻也が「5位独占」。オマーン戦のデータから浮かぶ課題

図1)日本対オマーン戦。パス交換数ランク上位唯一の「DF→MF」。3位「吉田→遠藤」17本の内訳。後方かサイドに向かうパスがほとんどだった。(←攻撃方向)

「柴崎→堂安」5本。ボランチから前方へのパスが極端に限られた。

[アジアカップ GS2節] 日本 1-0 オマーン/1月13日/シェイク・ザイード
and
[アジアカップ GS3節] 日本 – ウズベキスタン/1月17日/アル・アイン

 アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のAFCアジアカップ2019グループステージ2節の日本代表対オマーン代表戦、日本の「パス交換数ランキング」をチェックしてみた。

 選手間のパス本数を、アジアサッカー連盟(AFC)がまとめたデータ。日本の上位5位は、以下の通りだった。4位タイで2パターン(組み合わせ)あった。

□日本×オマーン戦
▽日本のパス交換数ランキング
順位:出し手→受け手  パス数
4位:遠藤航→吉田麻也 14
4位:柴崎岳→吉田麻也 14
3位:吉田麻也→遠藤航 17
2位:冨安健洋→吉田麻也 19
1位:吉田麻也→冨安健洋 21

 吉田が上位5位独占――。吉田がいずれかに、すべてランクインしている。

 しかも、そのうち4つの組み合わせがバックパスだ。吉田から前方へのパスは3位の「吉田→遠藤」のみだった。

 もちろん、相手が自陣を固めて、パスコースがほとんど限定されていた展開だったことも関係しているだろう。後方でパスを回したり、後方からビルドアップすることが一概に悪いことではない。

 とはいえ、何とも言えない停滞感を招いていた理由の一つがこのデータからも浮かび上がる。

 まず、「一旦吉田にボールをあずけて、どうするか考える」というチームの傾向が、このデータからも感じられる。前方へ崩そうと試みるがコースがない。何かチームの決まりごとのように、フィールド最後方の吉田まで戻し切っている。

 そして本来のつなぎ役であるボランチの柴崎と遠藤のやや後方でのプレーが目立つ。

 唯一「DF→MF」と前方へのパスの組み合わせだった3位の「吉田→遠藤」も、メインの図(図1)のように、相手の嫌がるスペースを突き切れず、自陣内、または左サイドへの”セーフティ”なものがほとんどだった。

 ボランチ二人のデータを見てみよう。

□日本×オマーン戦
▽柴崎のパス交換数(出し手)ランキング
順位:出し手→受け手  パス数
3位:堂安律  5
2位:冨安健洋 10
1位:吉田麻也 14
※柴崎の総パス数:50本

▽遠藤のパス交換数(出し手)ランキング
順位:受け手  パス数
2位:冨安健洋 6
2位:長友佑都 6
1位:吉田麻也 14
※遠藤の総パス数:47本

 前方へのパスが極端に少なくなっているのだ。試合開始28分に原口元気のPKで先制できたことで慎重に試合を進め、オマーンも守備を固めてあまり前に出てこなかったことも関係しているが、いずれにせよ、ボランチから前を向いたパスの少なさが目を引く。

図2)オマーン戦、柴崎からのパス:計50本(←攻撃方向)

 上記に添付した図(図2)は柴崎のパス50本の内訳だ。

 これを見ると、決して前方へのパスの割合が少ないわけではないことが分かる。もちろん大迫勇也不在やオマーンがリードされても攻めてこなかった影響もあったはずだが、バイタルエリアやゴール前を突き切れていない。矢印が”逃げている”のだ。

 日本のオマーン戦でのパス交換ランキング。吉田の上位5位”独占”からも、苦戦というより、単調でメリハリの感じられない展開が続いた要因が見えてくる。

 17日のウズベキスタン戦、そして決勝トーナメントへ。全体的に矢印がゴールへ向かっていくことが求められる――それは日本の以前から抱える課題でもある。森保一監督がどのように改善していくのか、まさに指揮官としての手腕が試される。

文:サカノワ編集グループ

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