×

マリノス新背番号1。朴一圭はオファーが届いた瞬間「鳥肌が立った」

琉球から横浜FMに加入したGK朴一圭。(C)SAKANOWA

J3のFC琉球からJ1へ一気に昇格。接点はちょうど1年前――。

 横浜F・マリノスで新たに背番号「1」をつけるのが、FC琉球から完全移で加入したGK朴一圭(パク・イルギュ)だ。

 ちょうど1年前の1月24日、沖縄県石垣市の横浜FMとFC琉球による練習試合が、アンジェ・ポステコグルー監督のスタイルとの接点になった。

 朴は振り返る。

「昨年のキャンプの練習試合で、ポステコグルー監督の新たなスタイルに取り組んでいるF・マリノスと対戦しました。しっかりパスをつないで崩してきて、FC琉球もつなぐサッカーを主体としていたので、その時から親和性を感じていました」

 そのプレーは、横浜FMのスタッフ陣の目にも留まったのだろう。

 藤枝MYFCから2016年に加入したFC琉球では3年間守護神の座を務め、昨季はJ3優勝とJ2昇格を果たした。そんな朴のもとに、早い段階で横浜FMからオファーが届いた。そして12月18日には完全移籍することが正式に発表された。

 チームはJ2へ、一方、朴は一気にJ3からJ1へと昇格を果たした。

  横浜FMからオファーが届いた時、朴は「夢のようで、鳥肌が立った」と振り返る。

「ちょっと信じられませんでした。確かに共通するスタイルに取り組み、『声が掛かるのでは?』と周囲から言われたことはありました。とはいえ実際に話をいただいた時、本当に鳥肌が立ちました。頭が真っ白になりました。本当なのか? 夢なんじゃないのか? って。信じられませんでした」

 スカウティングスタッフがJ3の会場に来ているという話は耳にしていたが、「視察」はよくある話。ただ、ずっと朴のプレーがチェックされていた。そのことが彼自身にとって、何より嬉しかった。

「自分の取り組んできたJ3でのスタイルが評価されて……。J1でどうしてもやりたい気持ちはずっと持っていましたので、即決させていただきました」

 28歳のGKは、J1初挑戦となる。格段に上がるクオリティに最初は戸惑いを覚えるかもしれないが……その新たな戦いを楽しみにしていた。

「2カテゴリー上がり、周りの選手のクオリティも一段と高くなります。今までJ3で通用したことがどれだけJ1で発揮できるのか。正直、まだ自分の中では未知なるものですが、練習や練習試合でアジャストしながら出していきたいです」

 2018シーズンの横浜FMは、飯倉大樹のハイラインによるビルドアップが注目を集めた。最終ラインのさらに後ろにいる『もう一人のリベロ』としてキックの精度も求められる。

 その飯倉の役割を見ていた感想を、朴はこう語る。

「チームが求めているスタイルのなかで、むしろJ1で持ち味を生かしてトライできていることを羨ましく思って見ていました。自分自身は決断がよく、前へ出ていくスピードに自信があり、スペースを埋めるところも持ち味だと思っています。そこを遺憾なく発揮していきたいです」

 横浜F・マリノスの「1」は、川口能活、榎本達也、榎本哲也と三人しかつけてこなかった、この2年間は空白だった背番号だ。その伝統と言える番号を託されたのは期待の表われ。朴と飯倉が切磋琢磨し合うことが、横浜FMのチーム力アップをもたらす。もちろん控えに甘んじるつもりはない。背番号1の新たな挑戦が始まる。

文:サカノワ編集グループ

Ads

Ads