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【カタール戦採点&寸評】8人に最低点「1」。目標は成長ではなく優勝だった

【MAN OF THE MATCH=マン・オブ・ザ・マッチ】アクラム・アフィフ(カタール代表)

吉田、権田のみならず…。持ち越されてきた課題を大一番で露呈。

[UAEアジアカップ 決勝] 日本代表 1-3 カタール代表/2019年2月1日/シェイク・ザイード・スタジアム

【選手採点│寸評】
※5段階評価。5が最高で、1が最低。1点刻み。
採点対象は原則、出場20分以上。

※採点の見方
ポジション 
背番号 選手名 採点

GK
12 権田修一 1
前半の2失点は、吉田が辛うじて限定したシュートコースを感じ取れず、立て続けに決められた。大一番でこそ、修羅のごとく”当たる権田”を見せたかったが……。この日のために、指揮官から信頼を寄せられ起用されてきたが、期待に応えられなかった。

DF 
5 長友佑都 2
後半、ボールを収めてビルドアップの起点になる。しかし効果的な打開策を見出せなかった。89分の乾投入後、左サイドの停滞が劇的に改善されたものの、遅すぎた。

16 冨安健洋 2
比較的自由にプレーできていた時、思い切った守備を見せていた。ただ今回のように押し込まれた時に周囲との連係、マークの受け渡しなど課題も散見。

22 吉田麻也 1
前線のボールの失い方が悪かったとはいえ、CBであれば前半の2失点は身を挺して防がなければいけなかった。試合を決定づけた3失点目のCKからのハンドも「不運」で片付けず、なぜ、あの時間にPKに至ったのか究明したい。年下の選手が多いなか、自分自身のプレーで精一杯になり、チーム全体のオーガナイズまで行き届かなかった。

19 酒井宏樹 1
11番に寄せ切れずクロスを簡単に上げさせ、先制点を与えてしまった。戦況や展開によって、プレーのリズムを変えられず、効果的なクロスも放てなかった。加えてこの日は日本対策でサイドに張り出してくる19番と11番に苦しみ、状況を打開する手立てを示せなかった。

MF
18 塩谷 司 1( ▼84分 )
南野のゴールにつながる大迫への縦パスを放つ。ただマンマークには滅法強さを発揮するが、この日のような中央で数的優位を作り出そうとする相手に対するゾーン守備は相性が合わず。完全に裏目に出てしまった。その塩谷らしさを生かそうと、チーム内で補完し合うことできず、何となくプレーを続けてしまったのも残念だった。

7 柴崎 岳 1
アクションを起こそうと上がった際、空けたスペースを狙われ続けた。その課題を解決できないまま、劣勢を招き続けた。そんなタイプではないかもしれないが、ポジション的にはピッチ上で起きている事象を把握し、改善策を示す立場にもなっていけないだろうか。

 原口元気 1( ▼62分 )
ウイングバックに引っ張られて守備に回り、長友とノッキングする形に。今大会中に発生していた、二人が詰まってしまう課題を最後まで改善できなかった。選手の自主性に任せる森保一監督のスタイルの”悪い面”が左サイドに感じられた(”いい面”はイラン戦のように粘り強く対応し、勝機を見出した展開が挙げられる)。

21 堂安 律 1
周りの選手とアイデアを共有し合えず、単独で仕掛けてはボールを奪われ、逆襲を食らった。逆サイドに中島翔哉や乾のようなタメを作れる選手がいてこそ生きたか。

9 南野拓実 2( ▼89分 ) 
厳しいマークを受ける大迫からのリターンをなかなか受けられず。武藤投入後にようやくラインブレイクの揺さぶりをできるようになり1ゴール。反撃の狼煙を上げたが……。

FW
15 大迫勇也 1 
複数人による厳しいマークに遭い、前を向かせてもらえなかった。チャンスになりかけた場面で、ボールを失う場面が目立った。南野の反撃のゴールにつながるポストプレーはこなした。しかし周りのサポート不足も否めないが、1試合を通して、なかなか脅威の存在になれなかった。

交代選手
FW
13 武藤嘉紀 2
( △62分 )
途中出場から前線を活性化させた。求められた役割はこなし、相手守備陣に混乱を起こし、その流れで南野のゴールも生まれた。しかし、チャンスになりそうな場面での(結果的に)判断ミスも。2本のヘディングシュートも枠を捉え切れず。

MF

14 伊東純也 ― ( △84分 )
1点差に詰め寄った後にさらに勢いをつけたかったが……結局、3失点目を喫したあとの投入に。ゴール前とサイドを分厚く守るカタール陣内を崩すには、時間もスペースもなかった。

MF
10 乾 貴士 ―
 ( △89分 )
短時間ながら高い位置で起点となり、長友や2列目オーバーラップを引き出し、自らもクロスを放った。対戦相手の出方を見て、対策を練り実行に移せる貴重なタイプだっただけに、もう少し、プレー時間を与えてあげたかった。

【採点理由】日本の目標は唯一無二、2大会ぶりの「王座奪還」だった。森保一監督の就任後、メンバ―を大幅に入れ替えたとはいえ、その新陳代謝を含めて、まずこのタイトルを獲るために充てられた5か月間と本大会のグループステージからの6試合だった。7試合フルに戦えたことは収穫だ。ただ「成長」というフレーズも、結果を残して(目標を達成して)こそ言えること。カタールの実力が高かったとはいえ、対策を練り、試合中に修正できれば、勝機は十分あった。そういった内容も勘案し、今回は厳しめの採点とした。

文:サカノワ編集グループ

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