【浦和】俊足の貴公子、汰木康也がこだわるストッキングの履き方

ブリーラム戦で、汰木康也が新天地衝撃デビュー!写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ACLブリーラム戦、新天地デビューで衝撃アシスト。「この10分間に全てを懸けた」

[ACL GS1節] 浦和 3-0 ブリーラム/2019年3月6日/埼玉スタジアム2〇〇2

 今季モンテディオ山形から浦和レッズに加入した汰木康也(ゆるき・こうや)がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ1節ブリーラム・ユナイテッド戦で84分から途中出場し、新天地デビューを果たした。迎えた試合終了間際の88分、左サイドを打開する鮮やかなカットインからクロスを放ち、逆サイドを猛烈な勢いで駆け上がった橋岡大樹のゴール(この日2点目)をアシストした。

 一連の動きが鮮やかで、そこに橋岡のダイナミックなプレーが相乗した。浦和の24番が対峙する相手を手玉に取り、完璧に打開したあと中央へ。その鋭いクロスの質も高かった。アンドリュー・ナバウトが競り合ったが届かず、そのさらに外に飛び込んだ橋岡が合わせた。

 汰木は試合後、冷静に自身のプレーを振り返った。

「まだ試合に出ていないので僕のデータはなく、相手に研究されていなかったので、一人で行ける自信はありました。だからこそ(山形時代の)昨シーズン、カットインしてからのプレーが読まれている時、どのように抜いていくか課題でもありました。今回は研究されていなかったからであり、もっともっとキレと精度を上げていかなといけないです」

 プレーする時、ストッキングは緩めに履いている。しっかりと上まではあげないそうだ。

「そうです。昔からです。ちょっと邪魔に感じるので」

 ドリブラーの些細なこだわりだが、これは興味深い。

 ゼロックス・スーパーカップを含め開幕からチャンスはつかめずにいた。オズワルド・オリヴェイラ監督は「フィットしてくるまで3か月は考えていたが、まさに今回のようなオープンな展開になれば、その突破力が効果を発揮できると思った」と、公式戦2試合連続のベンチ入りと今回の起用に至った理由について説明していた。

 汰木は語る。

「ゼロックス・スーパーカップから、なぜ使ってくれないのかなとはずっと思っていました。自分が出場すればチャンスが増えるのに、と。ただ、そこを含めて、練習で、自分を使おうと思ってもらえないのは実力不足。そこはしっかり受け止めています。課題の守備のところをもっと頑張ろうと思う一方、その分、攻撃で違いを出せることを見せられたと思います。攻撃のオプションになれればいいですが、まだまだ足りないところは感じています」

 これからも、ベンチ入りも決して簡単ではない状況が続くと認識している。

「武藤くんの状況(ケガから復帰間もない段階)もあり、ベンチ入りできたというのも正直ありました。今日結果を残せなければ次はない、と自分に言い聞かせていました。(浦和での初出場は)10分あるかないかでしたが、強みを全部出さないと次のチャンスはないというぐらいの気持ちでやっていました。欲を言えばゴールを取りたかったですが、一つアシストと、目に見える結果を残せて良かったです。今日で満足しているわけではないですし、また明日からこの試合をキッカケに引き締めて取り組みたいです」

 ふと、俊足という言葉について考えた。足が速い、という意味があることはもちろん分かる。ただ、「俊」ということは、優れた、秀でたという意味が込められている。

 俊足――汰木に合った言葉でもある気がした。

 何よりイケメン。クラブの課題だった女性ファン開拓にも一役買いそうだ。23歳のドリブラーが、浦和に新たな風ともたらそうとしている。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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