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【コロンビア戦採点】”選手任せ”の弊害も。及第点「3」は3人

[マン・オブ・ザ・マッチ=MOM]ドゥバン・サパタ(コロンビア代表)

CFにボールが収まらないと厳しい。

[キリンチャレンジカップ] 日本 0-1 コロンビア/2019年3月22日/日産スタジアム

【選手採点│寸評】
※5段階評価。5が最高で、1が最低。1点刻み。
採点対象は原則、出場20分以上。

※採点の見方
ポジション 
背番号 選手名 採点

GK
1 東口順昭 3
PKによる1失点に抑える。クロスへの対応も粘り強く、初めて組む最終ラインの裏で最低限のリスクマネジメントはできていた。

DF 
4 佐々木翔 2 (▼89分)
1対1に持ち込まれると、徐々に後手に回った。右サイドからの崩しが多かったので、左サイドはより固く締めてフォローしたかった。

16 冨安健洋 2
ブロックに行ったところでハンドを取られてPKを献上。「不運」では片付けず、なぜ起きたの原因は究明したい。パワーは感じられるだけに、そろそろディテール(相手がどうすれば嫌がるかなど)にもこだわっていきたい。

 昌子 源 2
セリエAで好調なサパタ投入後、4トップになった相手をはね返せず。周りに指示は出していたが、全体を統率できず中途半端に。結果、昌子も的(ターゲット)を絞り切れず翻弄された。

 室屋 成 3
前半は高い位置まで出て、多くのチャンスの起点となった。ただクロスが単調で読まれていた。前線と意思疎通を図り、相手の嫌がるところへクロスを放てると、日本の武器になれる。この日のチームの中では最も躍動していた。

MF
6 山口 蛍 3( ▼71分 )
ボールを奪えて、パスを丁寧にタテに入れることができる。セカンドボールも拾い、前半の好循環を作り出していた。パワー勝負に持ち込まれると苦しんだ。アジアカップで不足していた重要なピースであることを改めて感じさせた。

7 柴崎 岳 2
日本がリズムを掴んだ時間帯、山口とのコンビのバランスは良く、日本の7番にボールが入ると、ポジショニングも良く何かが起きる予感を漂わせた。劣勢時のチームを統率する力も、今後は求められる。

21 堂安 律 2( ▼71分 )
カットインとドリブル突破から決定的なシュートを放ったがゴールならず。決まっていればMOMだった。周囲の特長の引き出し方も身に付けていきたい。

9 南野拓実 2( ▼79分 ) 
巧さより力強さが感じられ、コロンビアの屈強DF陣にもほとんど当たり負けしていなかった。逆にこの日はテクニック的な特長を発揮できず。そのなかで”ゼロトップ起用”の目途が立ったか。

 中島翔哉 2
カウンターに持ち込んだ際など、やはり攻撃のセンスを感じさせる。ただ今回は決定的な仕事にはほとんど絡めなかった。イマジネーションの共有ができていないのは、戦術的な決まりごとを設けず、選手に判断を委ねすぎているからか……。

FW
13 鈴木武蔵 1 ( ▼65分 ) 
守備時は2トップで攻撃時は基本的に最前線へ。ただCFにボールが収まらないと、攻撃のスイッチが入らない。裏を突く意欲は見せたが、ダメを作れず、前を向けなかった。4-2-3-1をベースにするのであれば、大迫以外のCFの適任者を見出せないと、強豪相手に戦うのは厳しい。そもそも世界の王道であるこの布陣で戦っていくのか? という疑問も生じる。

交代選手
FW
10 香川真司 2
( △65分 )
攻撃の変化をつけようとスペースによく顔を出していた。ただ、徐々に厳しいマークを避けてサイドで受けるようになり、ゴール前での起点を作れなくなってしまったのはもったいなかった。

MF

14 乾 貴士 ― ( △71分 )
途中出場からアグレッシブに仕掛けた。アクセントになっていたが、崩し切れなかった。

MF
25 小林祐希 ―
 ( △71分 )
惜しいスルーパスとコーナーキックを放つ。相手の隙を突ける”目”は、日本にとっても武器になり得る。意外と人材が不足するセンターハーフの競争に、限られたプレー時間でしっかり名乗りを上げた。

FW
18 鎌田大地 ―
 ( △79分 )
小林のスルーパスに抜け出して惜しいチャンスを作る。相手が自陣を固めてスペースがないなか、アピールはあまりできなかった。

DF
19 安西幸輝 ―
 ( △89分 )
アディショナルタイムを含め6分間と出場時間は短かったが、左サイドの圧力をより強めた。次戦もう少し長い時間、プレーを見てみたい選手だ。

【採点理由】アジアカップ後、一旦、ある程度リセットするという位置づけの試合ではあった。ただ、今回のみならず、”できるだけ自由に。気持ちよく”ということで、戦術的な決まり事は最低限にして「選手任せ」に委ねていることが、あまり効果を発揮せずむしろ停滞感を招いているようにも感じられた。序盤の主導権をもたらした室屋、試合の流れを読んで対応していた山口、PK以外はゴールを死守した東口の3人に、敗れたものの及第点をつけた。ただ、結果的にギアをトップに入れた時のコロンビアは止められなかった。強豪相手に敗れるいつものパターンに終わったとも言えた。

文:サカノワ編集グループ

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