4試合フル出場、京都の新人DF上夷が語った闘莉王の第一印象

京都の上夷克典。(C)SAKANOWA

スカウトの中山博貴氏「日本を代表するディフェンダーに」。

 京都サンガF.Cが中田一三新監督のもと、開幕から5試合で2勝2分1敗の7位とまずまずのスタートを切った。また、あらゆる世代の選手の融合を進めるなか、明治大から今季加入した新人DF上夷克典(うええびす・かつのり)が、これまで5試合中4試合でフル出場を果たし、チームを支えている。

 5-4-1(3-4-3)の布陣からボールを持った選手がアクションを起こすことで相手のギャップを突き、そこに連動して第2、第3の矢となる選手も飛び出し、パス主体でドリブルもまじえながら崩していく。「静」から「動」へのスイッチの入れ方が非常に巧みで面白いスタイルだ。小屋松知哉、宮吉拓実が攻撃の中心を担い、開幕から全試合でスタメン出場を果たしている。

 その中で、最近2試合、最終ラインには37歳の闘莉王がリベロに、その隣りの右ストッパーに22歳の新人の上夷が入っている。

 180センチの上夷は1対1や空中戦に強く、ビルドアップ面の精度の高さも魅力だ。鹿児島城西高の卒業時に続いて京都からオファーを受け、「練習の雰囲気が良く、経験豊富なセンターバックが多く、外国人選手のFWとも練習から対峙できるのもプラスに思いました」と加入を決断した。

 京都の強化部スカウト中山博貴氏からは明治大での入団会見の時、次のようなメッセージが送られていた。

「上夷選手は身体能力が高く、スピードも兼ね備え、足元の技術も高いので、守備だけでなく攻撃参加でも力を発揮してほしいと考えています。稀少なタイプのセンターバックで、不可欠な戦力として1年目から活躍してくれるはず。京都をJ1に昇格させ、日本を代表するディフェンダーになってくれることを期待しています」

 上夷は昨年12月の明治大での加入会見の時、大学時代に練習参加した時の闘莉王の第一印象について次のように語っていた。

「練習参加した時、闘莉王選手はFWとDFの両方でプレーしていたので、(DFの上夷が)マッチアップする機会もありました。ヘディングの強さが別格で、しかも足元の技術も高くて、非常に良い選手だと感じました。何よりチームの雰囲気を読み取って変えてくれる、変えられる選手だと思いました」

 ふとした時にチーム全体の緩みを感じ、スイッチを入れられる。闘莉王の存在に最初は圧倒された。ただ、そのプロの雰囲気を体感ができたことは大きかったという。

「(最初は?)怖かったですけれど、ピッチ上で一緒にやっているうちに、プロ独特の厳しさを伝えてくれました。当時はあまりコミュニケーションを取れなくても、チームに必要な存在だと感じました」

 プロの姿勢を闘莉王の背中から学んだ。そのうえで京都への加入を決めた。

「高校の時も京都の練習には参加しましたが、それから4年が経ち、メンバーもチームのスタイルも変わりました。守備がサッカーのベースにはなるので、少しでもチームの中心選手となって抑えられるように頑張っていきたいです」

 開幕から2試合はスタメンだったが、3節のアビスパ福岡戦(〇1-0)はサブに甘んじ、再び4節から先発に返り咲いている。まだ完全なレギュラーというわけではない。多くのことを吸収しながら、急速に飛躍しているのは確かだ。上夷が闘莉王のファイティングスピリットをも継承し、京都の要となっていけるか。ユース代表の背番号10をつけていた実績のあるスカウトの中山氏の言葉にあるように、日本を代表するディフェンダーになっていける――その可能性をさっそく示してくれている。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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