得点数ワースト2位。浦和の課題は「トライアングル」の先

全北現代戦での浦和の柏木陽介(左)と武藤雄樹(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

14日は失点数ワースト2位のG大阪戦。興梠、武藤らFWに一発が生まれれば――。

[J1 7節] G大阪 – 浦和/2019年4月14日/パナソニックスタジアム吹田

 浦和レッズが苦しんでいる。開幕から勝ち星がなかった状況を切り抜け、一時は好転したかに思えたが、最近は再び公式戦3試合勝ち星がない。しかもJ1・6節の横浜F・マリノス戦(●0-3)、ACLのグループステージ3節の全北現代戦(●0-1)と、完敗と言える内容で連敗を喫した。

 しかも、ゴールを奪えずにいる。チャンスの数も限られる。

 今シーズンは、ゼロックス・スーパーカップを含めると10試合中5試合がノーゴールに終わっている。加えて流れの中から決めた得点も、ACL・GS1節のブリーラム・ユナイテッド戦(〇3-0)での橋岡大樹の2ゴール、J1・5節FC東京戦での試合終了間際の森脇良太の1ゴールの、計3ゴールのみ。いずれもDFだ。

 もちろん興梠慎三や武藤雄樹が、ポストを叩いたり、ほぼ完ぺきに崩してフィニッシュに関わったりした場面はあった。先日の全北現代戦でも、波状攻撃から柏木陽介があとは枠に飛ばせば決まる……というシュートを外してしまった。チャンスは増えつつある。

 ただ、開幕から待たれた「武藤雄樹と青木拓矢の戦列復帰」、それに「4バック導入」も、チームの流れを大きく変える特効薬になっていない。4バックが浸透するにはまだ時間がかかる、という意見もある。ただしオズワルド・オリヴェイラ監督はキャンプからチーム作りを行ってきた。準備する時間は十分にあったはずで、何より公式戦で結果が出ないことは、「時間」では言い訳にならない。

 オズワルド・オリヴェイラ監督のもと、今季徹底しているのがサイドでトライアングルを形成し、数的優位を作って打開するという攻撃の形だ。その意図は最近の試合でも明確に伝わってくるだけに、チーム内に徹底しつつあることが分かる。

 しかし、結果的に前線は興梠慎三が孤立するシーンが続く。武藤がサイドに流れて起点を作る。そこに森脇良太が絡んでクロスを放つ。もしくは放とうとする。しかし、中央(ゴール前)の人数が揃っていない。それではチャンスになる確率が低いなるのも必然だ。昨季から続く課題でもある。

 初めて4バックを採用したFC東京戦では、ゴール前を固めてきた相手に、高い位置からプレスをかけて中盤にも厚みを持たせながら試合を進められた。その新スタイルに手応えを得たが……続くポゼッションスタイルを武器とする横浜FM戦は、再び高い位置からプレスをかければ背後のスペースを突かれ、引いて対応すれば攻撃に厚みが出せず興梠が孤立する。以前の状態に再び戻ってしまった。

 3バックに戻した全北現代戦でも、チャンスはあったがその数は限られた。崩すのではなく、ちょっとした運頼みとも言える攻撃になってしまっている。

 いろいろ手は打った。しかし、あまり効果が感じられない。ちょっと嫌な、手詰まり感が漂う。

「サイドでボールを引き出せているが、そこからどうするかが一番重要。サイドを崩したシーンは何度かあったので、そこからビッグチャンスにするところ、僕自身もチャンスを決めないと。これだけ前が点を取れなければ勝てないのは当然なので悔しいです」

 全北現代戦のあと、武藤はそのように唇を噛んだ。そしてサイドでトライアングルを作る形の先に課題があると強調した。

「サイドから形を作り、相手ペナルティエリアの角あたりを取る(攻略する)シーンはできています。そこからのクロスの精度の問題もあります。が、点を多く取ることを考えると、もう少し、中で崩すことが絶対に必要になってくると思います。僕がサイドでボールを引き出しに行っているので、難しいところはありますが、そこから次に誰かが飛び出すなど、人数をかけていかないと。興梠さん一人で孤立するシーンが多いので、そこですね」

 一方、そもそもこの現在取り組む「サイドでトライアングルを作る」攻撃が得策なのか。という、これまた先の見えない疑問も拭い切れずにいる。点が取れず、勝てなければ、やはり疑心暗鬼になってしまう。また指揮官はファブリシオの間もなくの復帰を示唆する。結局、そうしたピッチの外に流れを変える要因を求め続けていることも、気になるところではある。そもそも、もっと大きな変化が必要なのか? そのあたりはまた改めて考察したい。

 浦和はリーグ戦2勝2分2敗、得点数は松本山雅FCと並んでワースト2位タイの4得点(失点7)。

 次戦は4月14日。「点が取れない」浦和とは対照的に、「失点が止まらない」リーグワースト2位15失点(12得点)を喫するアウェーでのガンバ大阪戦だ。

 横浜FM戦、全北現代戦から先発選手の入れ替えがあるだろう。トライアングルの先、ゴールを狙える中盤のタレントの出現も求められる。そして、やはり浦和の背番号9が言うように、興梠、武藤、アンドリュー・ナバウト、それに杉本健勇といったFWに”一発”が生まれること。彼らにゴールが生まれないことには、攻撃のバリエーションは増えていかない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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