新潟の電撃監督交代、解任理由は「仲良し集団」

アルビレックス新潟のサポーター。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

失敗を繰り返す指揮官人事。17年間チームに携わった片渕氏解任、吉永一明氏が昇格。

 アルビレックス新潟は4月14日、片渕浩一郎監督を解任し、吉永一明アカデミーダイレクターがトップチーム監督に就任すると発表した。同日、是永大輔社長がクラブ公式HPの無料会員サイト「モバアルZ」で解任理由について、約5分間にわたって説明する動画を公開した。

 そのなかで是永氏は次のように解任に至って理由を説明した。

「時間が残されていません。このタイミングで動けば多くの軋轢や動揺が生じることは理解しています。ただプロとして、仲良し集団であっては上は望めないと思っています」

 そのように危機感を強調。そのうえで、最近の成績やチームのパフォーマンスが、当初の狙いから乖離してきていることも挙げた。

「ワクワクした試合展開と上位で争うこと。特にホームでできずにいる、これまでの流れを改めたいと思いました」

「3勝3分3敗。中位を戦うチームではない。当初の狙いからズレてきていて、守備重視を掲げながら9試合10失点。この2試合で失点5と綻びも見え始めています。また最近は攻撃面でも形が見えず苦しんでいます」

 確かに最近は1勝2分2敗。8節・ファジアーノ岡山戦(アウェー/△3-3)、9節・モンテディオ山形戦(ホーム/△2-2)と辛うじて同点に追いつく試合が続いた。

 そして吉永新監督を抜擢した理由について、「選手個性の見極めと組み合わせが得意。多くのクラブ経験があることもメリット」と語った。なお、吉永氏の務めていたアカデミーダイレクターの後任は未定だ。

 またコーチなど17年間にわたって新潟で仕事をしてきた片渕前監督については、「休養期間を置いたうえで引き続き新潟でその経験を生かし、誰よりも新潟を知る指導者として、再び中心的人物になっていただけるようにお願いをしています」

 2017年までJ1にいた新潟が、一転して、降格1年目の昨季、J2残留争いをするまでに低迷。片渕前監督の就任は、新潟のあらゆる問題点を含め理解している片渕監督のもと、クラブ全体の一体感を取り戻すことだったはず。それができたからこそJ2残留は果たせた。が、さらに上には向かえなかった。

 言葉の綾だが、「仲良し集団」は言い換えれば「理解し合うファミリー」。2017年の失敗の影響があるとはいえ、内部での昇格人事を繰り返すことで閉塞感が漂い、ダイナミックさを失っている感もある。しっかりとした守備をベースとしたスタイル――を掲げ続けることも、J2を勝つためのトレンドから遠のいている印象もある(自動昇格を果たすには、近年、点を取り切る力が重視されている)。

 もちろんサガン鳥栖U-18の監督、清水エスパルスやヴァンフォーレ甲府のコーチなどを務めた経験のある吉永氏の手腕には期待したい。

 ただ、新潟が失敗を続けてきたのは監督の人選に尽きる。

 理想は、反町康治氏(松本山雅FC)、曺貴裁氏(湘南ベルマーレ)、風間八宏氏(名古屋グランパス)、ミハイロ・ペトロヴィッチ氏(北海道コンサドーレ札幌)といった(反町氏はややタイプが異なるが)哲学と戦術を持ち、常に進化を遂げているタイプの指揮官。見つけるのはそう簡単ではない。ただ、十分に目の肥えた新潟サポーターに、新たな価値を提供できる人材こそ、求められているように感じる。

文:サカノワ編集グループ

 

 

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