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久保建英はU-20W杯よりコパ優先!?森保&影山監督「これから議論」

U-20日本代表対全日本大学選抜の練習試合を視察した日本代表の森保一監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

来月ポーランドで開催。今回未招集の久保らについて、U-20代表優先の明言はなし。

 久保建英(FC東京)がU-20ワールドカップ(W杯)よりもコパ・アメリカを優先する可能性が浮上――!?  ポーランドで開催されるU-20W杯開幕まで約1か月と迫るなか、U-20日本代表候補のトレーニングキャンプが4月14日から16日まで行われた。最終日には全日本大学選抜との練習試合(45分ハーフ)が組まれ、1-1で引き分けた。

 その練習試合を日本代表と東京五輪代表(現U-22日本代表)の森保一監督が視察。U-20日本代表の影山雅永監督、同じく視察に来ていたU-17日本代表の森山佳郎監督らと意見も交わした。

 その試合後、森保監督がメディア対応を実施。そのなかで、今年5月から6月、同時期に開催されるコパ・アメリカに臨む日本代表に、U-20W杯があるU-20代表世代からの引き上げは果たしてあるのか。そのことについて、次のように言及した。

「協会(日本サッカー協会、JFA)のほうで影山監督と話し合いながら、どのようにチーム作りを進めていくのか。選手の今の状況などについては情報交換し協力し合っています。(U-20W杯やコパ・アメリカなど)同時進行で大会があるので、選手をどうするのか、というところは、話し合っていくやっていきたいです」

「まずは(コパで)どのようなメンバーが組めるのか、関塚技術委員長と話して、所属クラブと調整していただいています。そこでどのような選手が招集できるのかを踏まえて、影山監督とも話していきたいと思っています」

 つまり現段階では、U-20W杯とコパ・アメリカで、各クラブの主力が偏ることがないようにするなど、Jリーグをはじめ各クラブと調整中だという。そのなかで、U-20世代からの引き上げについても否定しなかった。

 一方で、U-20W杯出場組からも今後、「日本を代表して、世界の舞台で戦える選手がいれば、我々のほうでも招集など考えていければと思います」とも語った。

 ただ、U-20世代はコパではなくU-20W杯に専念させる、という明言はなかった、それはU-20日本代表の影山監督も同様だった。

 今回、U-19アジア選手権の中心選手だった久保建英(FC東京)、齋藤未月(湘南ベルマーレ)が招集されなかった。その理由について、指揮官は「今回の合宿は、チームを成熟させたいという意図で組んだので、来てもらいたかった。ただ日本協会とクラブが話し合ったなかで、『ノー』ということだったので、詳しいことは技術委員会が把握しているが、私たちはその手元で与えられた選手でベストを尽くすことを考えました」と語った。

 また先日、久保のコパ・アメリカへの招集もあり得る、という報道がされたことに対し、影山監督は次のように自身の見解を示した。

「どの監督も、フルメンバーで臨みたいと思っています。ただ我々が日本を代表する選手に携わっている時に考えなければいけないのは、その選手、個人が将来、最終的な勝利を掴むまで、最善のいい経験をさせてあげることが、それぞれに大事だと思っています。我々は各選手にとって、どこをステージとして踏ませてあげるべきかを議論していくことは大事だと思います。日本人スタッフ同士なので、そういった意見交換はスムーズにできます」

 そのように久保らのU-20W杯を“飛び級”による日本代表への招集についても、議論する意味はあると説明した。

 影山、森保両監督から久保らをU-20代表にまず優先する、といったニュアンスの発言は出なかった。そうしたなかで、今後、フル代表とU-20日本代表のチーム編成を詰めていくことになる。

 選手に力があれば、高いレベルのA代表でプレーさせるべきだという意見もある。一方、国際舞台の真剣勝負に臨む機会が限られる日本では、各世代のW杯を重視し、育成に力を注ぐべきだという意見もある。日本は基本的に後者のスタンスを取って、2002年日韓W杯での成功などを収めてきた。が、今回「コパ」によって、そのスタンスも変わろうとしているのか……。

 ポーランドU-20W杯での日本の初戦は、5月23日のエクアドルU-20代表戦。ゴールデンウィーク前後に大会に臨む代表メンバーが発表され、選手たちは5月の合宿を経て、ポーランド入りする。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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