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7連敗の神戸。意地の一発を決めたウェリントンと山口蛍が交わした言葉

神戸のウェリントン。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

「最後まで諦めない」その想いは一緒だった。

[J1 12節] 横浜FM 4-1 神戸/2019年5月18日/日産スタジアム

 ヴィッセル神戸のブラジル人FWウェリントンが、0-4で迎えたアディショナルタイムの90+2分に意地のゴールを叩き込んだ。今季通算3点目は、一矢を報いる一撃に。しかしチームは15位まで順位を落とし、J2降格圏17位のサガン鳥栖と勝点10で並んでしまった。

 失点を重ねていくなか、ウェリントンはゲームキャプテンを務めた山口蛍の姿勢に、絶対に応えたいと思っていたという。

「自分はどんな状況でも諦めない性格。チームを盛り上げようという気持ちはずっとあった。(山口)蛍もそういうタイプで、何とかしようと必死だった。失点をするたびに蛍は声を掛けていて、何としてもそれに応えなければいけないと思ってプレーしていた。個人的には得点できたのはそんな諦めない姿勢を持っていたからだったと思うが、もちろん勝たなければいけなかったし、チーム全体で持たないといけない」

 試合後、ウェリントンは山口といろいろな意見を交わしたという。

「最後は『ちょっと有難かったよ』と蛍から声を掛けてくれた。チームメイトからそう言ってもらえたのは嬉しいけれど、もっとやらないといけない。次に向けた建設的な話もしたよ」

 ウェリントンは失点しても、誰か一人でも諦めた時点で勝てないと強調した。そして、プレッシャーがプレッシャーを生む状況になっており、精神的な開放も必要だと言った。そのためには1勝がほしい、と。

「2013年の湘南、2016年の福岡でも同じようなシチュエーションを経験しているけれど、いい入り方ができても、失点するとそこでトーンダウンしてしまう傾向がある。何としても1試合勝たないといけない。もちろん『勝たないといけない』というプレッシャーが、逆に自分たちを苦しめてしまうこともある。自分たちの力はあるのだから、いい意味で力まない、プレッシャーを感じすぎない精神状態も必要かもしれない」

 リーグ戦は7連敗、ルヴァンカップを合わせると公式戦8連敗……。監督交代のショック療法も効果があったとは言えず、まさに蟻地獄にハマってしまっている。神戸としても、攻撃をウェリントンとビジャを軸に据えたチーム作りを進めるのか。それともポドルスキを生かすのか。そのあたりのチームとしての基本的な「軸」も固定したい。

文:サカノワ編集グループ

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