大宮の至宝、19歳の奥抜侃志が待望プロ初ゴール!「一つしかコースはなかった」

大宮の奥抜侃志。(C)SAKANOWA

ジュニアユースから大宮育ちの2年目が上位へ導く先制弾。

[J2 17節] 大宮 3-1 京都/2019年6月8日/NACK5スタジアム大宮

 大宮アルディージャのMF奥抜侃志(おくぬき・かんじ)が京都サンガF.C.戦の12分、カウンターから茨田陽生のパスを受けると、DFとGKの間を倒れこみながらも通す渾身のシュートで先制点をもたらした。今季初先発で嬉しいリーグ戦初ゴール。大宮ジュニアユースから育てられてきた2年目19歳のこの一撃もあり、チームは4連続引き分けを挟み5試合ぶりの勝利を収めた。これで大宮は13試合負けなしだ。

 京都にボールを支配されるなか、ホームチームは相手の攻撃を5バック気味で受けながら、ボールを奪えばカウンターに転じてチャンスをうかがった。

 迎えた12分、大宮の33番が「走り込めるコースが一つしかなかった」という狭いスペースを攻略し、ピンポイントでシュートを突き刺した。

「奥井選手のボールカットから、良い形でカウンターに持ち込めました。フアンマ選手から茨田選手にボールが渡り、僕が走り込めるコースは一つしかなかったので、そこで要求したところへ良いパスが来ました。あとは気持ちで押し込むだけでした」

 奥抜はそうように振り返り笑った。

 昨季は石井正忠前監督のもと、5試合で先発するなどリーグ戦で計7試合のピッチに立ったが、レギュラーに定着することはできなかった。

 高木琢也監督が就任した今季、これまでの出場は交代からの1試合のみ。指揮官の”個人指導”を受けることもあったそうで、「ボールをはたく位置、ボールを持つ位置を、口酸っぱく言われ、そこは常に考えてプレーしてきました」という。

 そうしたなかで、「悩んだり試行錯誤した時期があり、そこで自分がモノにしてきたことは『間違いではない』と感じられて、今日一つ証明できました」。一つの確信へ。サッカー人生のターニングポイントにもなるゴールとなった。

「大宮は先制すれば勝てる試合が多い。だから狙っていましたし、大きかったと思います。(高木監督からは)前からの守備と特長であるドリブルや時間を作るところは期待してくれていたので、そこは今日出せたと思います。ただ、期待に応えるのが遅くなってしまいましたね」

 期待値の大きい大宮の至宝だ。卓越したボールコントロール、その技術を生かした緩急織り交ぜたドリブル突破、勝負どころを見逃さない嗅覚――それらがしっかり噛み合った時の凄みを今回、ついにホームスタジアムで垣間見せた。

 ゴール裏にいる大勢の大宮サポーターの前で、インパクトを放つ閃光を放った。相手に脅威を与えるプレーを、このままコンスタントに続けていければ、一段と輝きを増していくはずだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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