【FC東京】なぜ失点したのか?新人CB渡辺剛が自問自答して残した「結果」

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FC東京渡辺剛

サカノワスタッフ

FC東京の渡辺剛。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

失敗を糧に。1試合ごとに確実にスケール増す存在感。

[J1 15節] FC東京 – 神戸/2019年6月15日/味の素スタジアム

 FC東京が今季初黒星を喫した5月25日の13節セレッソ大阪戦(●0-1)、4バックの中央で先発した渡辺剛は78分に喫したブルーノ・メンデスのゴールを「自分の責任」と受け止め、なぜ、失点したのか? 自問自答を繰り返したという。

 自身リーグ戦3試合目にして初めて喫した失点により、チームは13試合目にして初めて負けた。

 では、あの失点はどうすれば防げたのか? そのシーンを振り返ると、ブルーノ・メンデスが見せた駆け引きがあまりに巧妙すぎて、果たして防ぐ方法などあったのだろうか? とも思わされる。

 スコアレスで迎えた試合終盤だった。大きなサイドチェンジから右SB松田陸がアーリークロスを放つ。するとファーサイドで渡辺がマークについていたブルーノ・メンデスがスッと、一つ前のニアにいた森重真人の前に出て、鼻先に当てるようにヘッドを合わせ、ゴールネットを揺らしたのだ。

 マークをしていたのは渡辺だった。しかし、無力化された。

 渡辺は「自分のせいで負けてしまったので」と振り返る。

「前節はアクロバティックに前から行けず、その面で、監督と話もしました。そこで選手全員で前からアグレッシブに球際に行こうと、改めて共有し合えたと思います」

 そして、あの失点シーンについて。

「声は掛けたのですが、遅かった。あと一瞬早いタイミングで、『入る』と伝えられれば森重さんは準備できていました。それに、もう少し僕が相手の前に体を入れられれば、狙っているコースへの進行を遅らせることができました。そういった一瞬。経験不足と言い訳にしてはいけないけれど、こうして積み上げていきたいと感じました」

 続く6月1日の14節・大分トリニータ戦(〇3-1)は1失点したものの、チームは3-1の勝利を収めた。初めて2試合連続リーグ戦フル出場を果たした渡辺は、あの反省が生きた勝利だったと振り返った。 

「(勝利は)自信にはなりました。でも、ミスも多かったです。失点してはいけないと思って臨んで、また失点してしまって。ここからまたしっかり振り返り反省して、次に生かしたいです」

 元韓国代表DFチャン・ヒョンスの控えという立場ではあった。が、長谷川健太監督はレギュラー陣を信頼しつつも、彼らを超す実力があると判断するば、すぐに抜擢する。シンプルに。その明確な基準のなか、渡辺は間違いなく「競争」に加わってきた。

 ルヴァンカップは6試合、J1リーグは4試合に出場。1試合経験するごとに、確実にスケールが大きくなっている。ここ数か月で、一回り体が大きくなったようにも感じる。実際にフィジカルが強化されてきただけでなく、それが存在感と言えるのかもしれない。

 昨季終盤に急下降してしまったFC東京にあって、若手の突き上げが(短期・長期的にも)勝ち続けるためには不可欠だと、長谷川監督は強調してきた。

 まさに渡辺剛。2019年とこれからのFC東京を担うキーパーソンだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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