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【なでしこ初勝利】高倉監督が明かす。PKキッカーはどう決めたのか?

日本代表の高倉麻子監督。写真:早草紀子/(C)Noroko HAYAKUSA

スコットランド戦の2点目。菅澤が自ら得たキックを決める。

[女子W杯] 日本 2-1 スコットランド/2019年6月14日/ルート・ド・ロリアン

 フランス女子ワールドカップ(W杯)グループステージ2節、なでしこジャパン(日本女子代表)がスコットランド女子代表に2-1の勝利を収めた。日本はグループ1勝1分で勝点4。

 日本の高倉麻子監督は試合後の記者会見で次のように試合を振り返った。

「勝つしかないなか、点を取りに行きました。前回攻め込みながらも点を取れなかった原因は、ゴールを目指す気持ちにあったと思います。初戦はアグレッシブにプレーしたものの、持っているものを出せてるいるようで出せていない。引き分けに終わったことで、全員のお尻に火が付きました。前半は特にゴールに向かう姿勢や全員での連動性に関して、少し日本らしさが出せたと思います」

 W杯初戦のアルゼンチン戦でのドロー――。その結果をどのように、生かしたのか。

「アルゼンチン戦はもちろん全員で勝利を掴み取ろうという強い気持ちで臨みました。しかし引き分けに終わった現実を受け止め、W杯で勝つ厳しさを痛感しました。

 ただ今日朝起きてからのミーティングやウォームアップに入る表情、チームの雰囲気は明らかに変わっていました。決して第1試合を甘く見ていたわけではありません。やはりチームが1試合の経験を積んだことで、レベルアップした。気持ちのうえでも、プレーでも、一段上がったと感じています。とはいえ、まだ私たちは何も掴んでいません。次のイングランド戦、全員で成長した姿を見せ、世界3位に立ち向かっていきたいです」

 試合中、高倉監督が岩渕と菅沢の2トップに指示を出した場面があった。その意図は?

「二人のみならず、FWと中盤、中盤とDFの距離で、前へボールを奪いに行きすぎている、と。気持ちを抑えながら行こうと伝えました。ただ結果的に相手がボールを蹴ってくるパワーに圧力をかけに行けなくなったのは反省点です。そこはもう1回映像を見ないと分かりませんが、サッカーがカオスになっていたと言いますか。

 前へ行けば間を使われ、行かなかったら蹴られる。流れ(主導権)が自分たちにずっとあるということはありません。どのプレーがキッカケとなって相手に勢いを持たせたかは確認しますが、そういうことが起きるよね、ということを全員で理解できればまた力になると思います」

 そのなかで、2試合連続でスタメン起用された菅澤優衣香が存在感を発揮。自ら得たPKを決めて、チームに大きな2点目をもたらした。

「日本のなかでは体格に恵まれ、小柄で小気味よくプレーするタイプとは異なります。ターゲットになる点でも非常に大事な選手。ただ全員が替えの利かない選手です。菅澤のみならず全員に期待しています」

 また、PKのキッカーはどのように決めているのか? 指揮官は次のように明かした。

「私自身が誰が、と決める試合もあります。ただ今日の場合は様子を見て、菅澤がもらったファウルだったので、自信がある選手が蹴ればいい、と。(菅澤が)しっかり決めてくれて良かったです」

 高倉監督はそのように胸を撫で下ろしていた。

 1、2試合目で選手を入れ替え、指揮官としてもいろいろな発見があったようだ。その中で、まさに最初の集大成と言える陣容で、グループステージ最終節、イングランド代表に挑む!

文:サカノワ編集グループ

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