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トロイデンがクラブ史上最高の移籍金でも「ボローニャ冨安」にすぐ合意しない背景とは?

日本代表にも定着した冨安健洋。果たしてシント=トロイデンからボローニャへの移籍は実現するか!? 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

2月にほぼ同じ条件でブレーメンも獲得を検討。さらに市場価格は上がっているだけに…。

 セリエAのボローニャFCが、ベルギー1部リーグのシント=トロインデンVV(STVV)に所属する日本代表DF冨安健洋の完全移籍での獲得に向けて交渉を進めている。ボローニャの新テクニカル・ディレクターに就任したワルテル・サバティーニが就任会見で「(冨安について)獲得はまだ正式決定していないんだっけ?」と発言。さらにコパ・アメリカの日本対チリ代表戦後には「プルガルをマークしていた選手がいただろう。あれが私たちの日本人選手だ」などと冨安に再び言及した。メディアを巻き込んでラブコールを発信している。

 しかし、ベルギー・ヘントの地元紙はまだ合意には達していないと、STVV側の主張を掲載しているという。

 ボローニャは600万ユーロ(約7億3000万円)の移籍金(違約金)を用意している。これはSTVVのクラブ市場最高額である。

 しかし、STVVは850万ユーロ(約10億3000万円)を要求しているという。600万ユーロは、今冬のマーケットでの冨安の移籍金設定額。その時はブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンが獲得を検討したが、移籍には至らなかった。

 冨安はさらにそこから実績を積み、STVVのみならず、日本代表でもレギュラーの座を掴んだ。今回はコパ・アメリカにも参戦。実績で言えば、現在のアジアナンバー1のセンターバックとも言え、21歳という若さでまだまだ伸びしろもある。

 そういった背景もあり、クラブとしては「600万ユーロ以上」は譲れないという考えのようだ。

 そんななか、イタリアメディアによると、ボローニャとSTVVは冨安の移籍金600万ユーロで合意したうえ、両者が協力関係を締結。ボローニャが資金的にバックアップする提案をしているという。

 歩み寄るため、より具体的な提案が出ているようだ。ボローニャの熱意に応えるべきか、さらに好条件のクラブが出てくるのを待つべきか(しかもコパ・アメリカに参戦中だ)、そうしている間にボローニャまでもそっぽを向かなければいいが――。そういった駆け引きが続いている。

 ボローニャは2018-19シーズン、セリエAでは11勝11分16敗(48得点・56失点)と20チーム中の10位だった。特に失点数はワースト7位と多かっただけに、守備のテコ入れが急務に。もしも移籍が実現すれば――冨安にとってもやりがいのあるチームになりそうだ。

 果たして2004年にプレーした中田英寿以来となる日本人プレーヤー「ボローニャ冨安」誕生なるか!?

文:サカノワ編集グループ

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