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本田が自己分析「スペインからオファーが来なかった一番の理由は」

日本代表での本田圭佑。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

日本人の不要な慣習を指摘、「大切なのはミスしたあと。『萎縮するふりをする』選手がいる」。理想とするボランチの選手は――。

 オランダ1部リーグ(エールディビジ)のフィテッセに加入した元日本代表MF本田圭佑が11月8日、インターネットテレビ局『AbamaTV』に出演し単独インタビューに応じた。さまざまなテーマにストレートに答えていく本田は、カンボジア代表監督(役職はゼネラルマネジャー)を務めて実感したこと、そして自身の第一希望だったスペインのクラブからオファーが届かなかったことについてなど、次のように語った。

 まず、カンボジア代表監督を務めたことで、より気付いたことがあるという。本田が指導者として感じた、改善していきたいと思ったこととは?

「ミスしたあとのリアクションですかね。日本人もそうなんですけれど、ミスをしたら怒られる文化で育ってきているので、ミスしたあとに委縮する傾向があります。それに加えて、萎縮していないのに『萎縮したふりをする』選手がいるんです」

 萎縮する、落ち込んでいる、本当はそうではないのに、周りに同調して、そのように振る舞う選手がいるということだ。

「これは日本で言う自粛の文化に近くて、悪いことをするとすぐ記者会見をするじゃないですか。あれは、まず反省していますという雰囲気を見せないといけないわけですよね。その余計な『ふり』はいらないわけで。どうやったら次に成長できるかが大事になる、と。そこを常々伝えています」

 とはいえ本田自身も最低限の「空気を読む」ことも大切ではないかと感じているとのこと。「(これまで指導者と)喧嘩はしました。喧嘩ばかりでもダメなので、日本人ならではの空気を読まないといけないとも思うんですけれどね」とも語った。

 そして、この5か月、新天地を見つけられずにいたのは、そのカンボジア代表監督との兼任がネックになったからではないかと言われてきた。が、本田はそこではないとして、「スペインからオファーが来なかった一番の理由は――」と、次のように続けた。

「やはりオーストラリア(メルボルン・ビクトリー)で1年間プレーしたということが、彼らにとって信頼につながらなかったんじゃないかなと思います。オーストラリアでプレーする選手イコール引退に向かう選手という認識が、やはりヨーロッパではあるようです。そのイメージとは実際異なるんですけど、そのイメージによって、オファーにつながらなかった。それは予想以上に影響がありました」

 そのように33歳になったレフティは、メルボルンで遂げた”進化”を実証できないもどかしさを感じていたという。

 そして、フィテッセでの役割について、本田はいい意味での「伝染」をキーワードに挙げた。

「一人で勝つことはできません。一人でできることは一つのタスクをこなすしかない。そこの質は最高のものを求めて、みんなをあっと言わせたいと思っています。さらには自分が黙々とプレーするだけではなく、周りにいい影響を与えて、周りのプレーヤーが以前よりもいいプレーができるように『伝染』していく、そういった空気を蔓延していきたいと思います」

 また自身が理想とするボランチは、「引退していますが、シャビ選手(現アル・サッド監督)はボランチで最もいいプレーヤーだったのではないかと思っています」。

 そのように、本田はFCバルセロナで長年に渡る黄金期を築いた、元スペイン代表の司令塔の名前を挙げた。

「僕の特長とはまったく違うんですけれど、僕にはないものを兼ね備えた理想的な選手だと思っていたので、勉強はしています」

 目指すのは、日本一のセンターハーフ(ボランチ)――。本田はそれぐらいの熱い意気込みを示していた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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