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東京Vの選手が相手を蹴り、主審に「一生笛吹くな」と暴言。琉球戦のPK判定巡り…

東京Vのサポーター。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

高橋祥平が上原慎也と交錯後に“蹴り”。選手の執拗な抗議の声をマイクが拾う。

[J2 9節] 東京V0-1琉球/2020年8月8日/味の素スタジアム

 J2リーグ東京ヴェルディ対FC琉球の試合終盤、大荒れの展開となった。琉球に与えられたPKの判定を巡って83分から8分間に渡って試合が中断。東京Vの選手とスタッフが主審に抗議を続け、「レフェリー、一生笛を吹くなよ、お前」と聞き取れる暴言もマイクを通じて配信された。結局、試合はこのPKを阿部拓馬が決めた琉球が1-0の勝利を収めた。

 83分、琉球がパワープレーを仕掛ける。右サイドからのクロスに対し、中央で琉球の長身FW上原慎也と東京VのDF高橋祥平が競り合う。上原が高橋に体を被せるようにヘッドで触れたもののヒットせず、ボールはゴール前へこぼれる。二人は交錯したままピッチに倒れ込む。すると倒れた状態で、高橋が左足で上原を蹴る。

 この行為が視界に入ったと思われる先立圭吾主審は笛を吹く。そして副審などと協議し、PKを与えるとともに、高橋にイエローカードを提示した。

 東京Vの選手たちは、なぜPKなのかと猛抗議。主審はさらにおそらく第4の審判とも連絡を取り合い、中断は8分に及んだ。ただプレーが続行されていたなかでの高橋の“足蹴り”と見なされ、琉球に与えられたPKの判定は変わらなかった。

 東京Vの選手やスタッフは執拗に抗議を繰り返し、その声がマイクを通じて拾われ、主審がかなり酷い言葉を浴びせられていることも分かる。そして90分、主審がペナルティアークに向かう際には、東京Vの選手から「一生笛を吹くなよ、お前」と聞き取れる声も放たれていた。

 試合終了後も抗議を続けた佐藤優平にはイエローカードが提示された。琉球は前節のファジアーノ岡山戦(〇1-0)で初勝利を収めたのに続く連勝を収めて17位に順位を上げた。一方、東京Vは3連続ドローを挟んでの黒星で4試合勝ち星がなく15位に。アディショナルタイムは9分間が追加され、何とも後味の悪い幕切れとなってしまった。

 Jリーグが定める「懲罰規定」の中で、「その他の違反行為」の「チームによる違反行為」では「同一チームの何人かの選手等が審判等に集団で詰め寄って、脅しをかけるような言葉や態度を用いた場合、又は、見苦しい抗議を執拗に繰り返し行なった場合、当該チームに対して罰金が科される」と記されている。罰金はJ1では50万円、J2とJ3では25万円。

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[文:サカノワ編集グループ]

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