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「想定外の連続」それでも荻原拓也は「問題なく走れた」。U-19日本代表のインドネシア遠征で掴んだ確かな手応え

先のU-19日本代表のインドネシア遠征のメンバーにも選ばれた浦和レッズの荻原。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

まさかの腹痛など起こしたが…浦和レッズの練習合流時には「全然、大丈夫っす」。

[J1 5節] 磐田 – 浦和/2018年4月1日/エコパ

 10月に開催されるU-20ワールドカップ・ポーランド予選となるU-19アジア選手権・インドネシア大会のシミュレーションとして、U-19日本代表が3月20日から27日までの8日間に渡りインドネシア遠征を行った。日本はU-19インドネシア代表と地元クラブとの計3試合で全勝を収めた。

 浦和レッズのルーキー荻原拓也は、同僚のCB橋岡大樹とともにこの遠征に参加。食事が当たって腹痛を起こすなど「思ってもみなかった想定外のことがいろいろ起きましたが、本場ではなかったのでむしろプラスに捉えています」と、タフさを増して帰国した。

「自分だけでなく何人も腹痛を起こし、コンディションの部分をいかに整えて試合に臨むかを、今回体験できました。暑さも厳しかったです。湿度が高く、ピッチに立つと汗が止まりませんでした。ただ、それでも問題なく走り切ることができました。そこは手応えを掴めました」

 4節の横浜F・マリノス戦でリーグデビューを果たしたものの試合には0-1で敗れた。その試合直後に空港へ直行し、この遠征に帯同。プロとしてさっそくサッカー一色に染まる生活を送り、荻原は「想定外」が起きるなかでも、闘える”確信”を掴んできたという。

 浦和では左ウイング(サイドハーフ)でチャンスを掴んだが、代表では浦和ユース時代に本職としてきた左サイドバックが主戦場だ。「自分の長所は変わらないので、前でも、後ろでも、ポジションが変わっても、自分のプレーを発揮することが一番大事だと思って取り組んでいます」と、18歳のレフティはあくまでも縦に仕掛けて”一発”のある左足のキックを生かす攻撃的なスタイルを貫く。

 何より今回の遠征で、荻原は日本代表でプレーする誇りと喜びを感じ取った。「日の丸を背負って、その最終予選で出場権を勝ち獲りたいと思いました」と、U-19アジア選手権に挑みたい想いを一段と強めた。

 現在Jリーグを盛り上げる、名古屋グランパスの菅原由勢、ガンバ大阪の中村敬斗(同時期に組まれたU-21代表のパラグアイ遠征に追加招集された)、FC東京の久保建英らもこのチームの対象だ。これからは10月の予選に向けて、代表メンバーに選ばれるための戦いにも突入する。

「このチームは『個』が強い。新たに下の世代も加わってきて、一緒にプレーしていてとても面白いです」

 ルヴァンカップで2ゴールデビューを果たし、リーグ戦でも途中出場を記録。浦和でさらに貪欲に、チャンスもゴールも狙っていく覚悟だ。

 そして目まぐるしく慌ただしい日程をこなして大原練習場に合流した直後、体調を聞かれた荻原はあっさり言った。

「もう、全然大丈夫っす」

 帰国間もないが、果たして4月1日のジュビロ磐田戦(アウェー)でのベンチ入りはあるか。それとも直後4日のルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦(アウェー)に備えるのか。誰もが羨むようなその荻原のバイタリティで、浦和をぐいぐいと押し上げてもらいたい。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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