「キャプテン翼みたいでしたね」劇的弾の湘南・山根視来が好きなのは大空翼ではなく…

湘南で3年目を迎える山根。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

90+4分、ラストプレーで鹿島に打ち勝つショットを突き刺す。

[J1 6節] 湘南 2-1 鹿島/2018年4月7日/Shonan BWMスタジアム平塚

 90+4分――。最後のプレーで鹿島を打ち破る渾身の一撃を突き刺した。湘南の右ストッパー山根視来はその”ラストシーン”を次のように振り返った。

 湘南が敵陣左サイドで得たスローイン。クリアボールが逆サイドのペナルティエリアを越えたところに飛ぶ。セカンドボールの競り合いだ。そのサイドにいた山根は、まず後方にいるリベロのアンドレ・バイアと大野和成が、鹿島の攻撃陣で居残る金崎のマークについていることを瞬時に確認する。そしてマークに突くべきレアンドロが少し下がり気味の湘南陣内にいた。

「ボールをキープされたら押し込まれてしまうので、まず先に触るように体を入れようと。そう心掛けてきたことが生きました」

 山根は躊躇わず先にボールへ触ろうとスプリントで駆け上がる。そしてレアンドロの前で、間一髪、先にボールにタッチすると、その勢いのままゴール前へ。そして右足を振り抜いた。

「攻めているときこそ、後ろのことを考えろと言われてきました。ここ3試合、リスクマネジメントのところで落ち着いてできていて、自分の感覚ができて、自信になってきています」

 守備をケアしていたからこそ生まれたの得点。だからこそ価値も高かった。

 そして決勝ゴールが入った直後、主審が試合終了を告げる笛を鳴らす。

「キックオフされずに試合終了。キャプテン翼みたいでしたね。キャプテン翼、大好きです」

 山根は笑う。

 ちなみにキャプテン翼の中で山根が好きなキャラクターは日向小次郎。「僕がもしも真似できるとしたら、思い切り蹴るシュートぐらいしかないと思って」と、以前のアタッカー時代はタイガーショットを目標にしていた。そしてDF陣の中でのお気に入りは石崎了だ。

「やっぱ、ここが大事ですから」

 山根は胸を叩いた。魂のこもった一撃。観ている者に与えた感動は計り知れない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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