【日本代表】香川真司を復活させたシュテーガーの「魔法の言葉」

日本代表での香川真司。日本の10番がドルトムントを去る? 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

ドルトムントで監督交代後に取り戻したトップフォーム。「キャリアで一番のパフォーマンス」と言った理由。

 日本代表のMF香川真司が6月12日の国際親善試合パラグアイ代表戦でトップ下として1ゴール2アシストと活躍し、不調説を一掃した。もちろん1試合のみで完全復活と言うのは早計だが、背番号10が盟友の乾貴士らとプレーすることで、好感触を掴んだのは確かだ。

 香川のコンディションはそれほど悪いのか? そう不安視させたのが、5月18日にガーナ戦に向けた日本代表のメンバー発表を行なった西野朗監督の言葉だった。

「香川については、これは本当にデリケートに考えないといけないと思います。選手生命にかかわると言いますか、3か月もトップステージでやれていない。それでも判断して招集し、彼の状態を期待しながら確認したい。数週間前に彼の状態を確認してきた。彼も替えの利かないプレースタイルを持っている。彼のトップフォームに戻ることを期待しています」

 西野監督はそのように、香川のコンディションを危惧した。

 2017-18シーズンのドルトムントでの香川の成績はリーグ19試合出場、5ゴール3アシスト。数字としては確かに平凡かもしれない。

 ただ、ペーター・ボシュ元監督からペーター・シュテーガー前監督に交代した16節以降、香川はレギュラーの座を掴み、新体制初陣のマインツ戦でゴールを奪うなど5試合で3得点2アシストと活躍。紛れもなくトップフォームを取り戻していた。いや、新たなプレースタイルを見出し、チームを浮上させた。

 シュテーガー前監督が就任時に強調して言っていたことがある。

「それぞれの選手が、自分の力を最大限に発揮できるシステム、ポジションを優先して考える」

 選手の特長を最大限に生かす――それは香川を復活させる魔法の言葉となった。

 4-2-3-1のトップ下に起用された香川は、チーム内には彼しかないクイックネスな動きで変化を加えて攻撃を活性化。さらにハードワークでの貢献も光った。周りの特長を引き出すことで、自らも生きる。するとチームも調子を上げていった(香川が離脱したあと、一時、2位まで浮上。最後は4位でフィニッシュ)。

 最終節のホッフェンハイム戦、香川は17-18シーズンについて「苦しみ壁はあったが、無駄がなく、むしろ、キャリアで一番良いパフォーマンスだった」と語っている。それは決して強がりではなく、事実だった。

 既定路線だったとはいえシュテーガーの退任が決まり、来季からはニースを率いてきたスイス人のリュシアン・ファーヴル新監督の就任が決まった。

 シュテーガーのもとで放った強烈な輝き。FIFAワールドカップ・ロシア大会。いよいよ19日、コロンビアとの初戦を迎える。ドルトムントで成功体験を得たコンディションに近づき、もしくは、さらにその先へ突き抜けられるか。

 日本代表の10番を背負う香川。何も悲観ばかりする必要はない。

 むしろ、日本の現状を打破できる希望の存在だ。

文:サカノワ編集グループ

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