原口元気と”戦った”菊地秋也くんが心臓手術を経て無事帰国│W杯秘話

昨年6月、原口の訪問を受けた菊地秋也くん。写真提供:秋也くんを救う会

男の約束の先に待っていたベルギー戦のゴール。

 ちょうど1年前に大ファンだった日本代表の原口元気のお見舞いを受けた重い心臓病を患う菊地秋也くんが6月28日、心臓の移植手術を受けた渡航先のアメリカから無事に帰国した。

 秋也くんは2005年9月23日生まれの12歳で埼玉県新座市在住。心室の壁が硬くなり突然死のリスクがある原因不明の難病「拘束型心筋症」と診断され、日大板橋病院に入院していた。5年以上かけて治療を施してきたものの徐々に機能が低下。日本でも2010年から15歳以下の臓器移植は可能だが、時間的な猶予を考慮して、9月、心臓移植手術で実績を残す小児科があるアメリカのピッツバーグに渡った。その渡航する前の6月に、日本代表戦のため帰国していた原口の訪問を受けた。

 そして12月16日、ドナー提供者が現れると、緊急手術は成功。大手術とあって感染症や拒絶反応など様々な困難を乗り越え、その後、集中治療室、一般病棟と移り、今年に入り、病気療養者のための家族滞在型施設「マクドナルドハウス」からの通院に切り替えていた。

 それから状態が安定してきたため、6月26日夜、無事に日本への帰国を果たした。

 募金活動を展開してきた『秋也くんを救う会』は、「募金活動から帰国に至るまで多大なるご支援・ご協力を頂きました全ての方に、心より御礼申し上げます。また、秋也くんを救って下さった医師団及び医療関係者の皆様、そして命を繋いで下さったドナーの方やそのご家族様に深く感謝致します。皆様、本当にありがとうございました」とFacebookの公式ページで感謝の言葉を綴っている。

 秋也くんは現在大学病院に入院し治療を受けている。今後のことは未定で、一日も早く地元に帰り、家族と生活が送れるように、同救う会は引き続き全力でサポートしていくという。「皆様におかれましても今後とも温かく見守って頂き、秋也くんが退院して元気に過ごしている姿が見られる日をお待ち頂ければ幸いでございます」と呼び掛けている。

 秋也くんのやりたいことは、学校で友達と遊び給食を食べること。目標は、埼玉スタジアムで浦和レッズの観戦をすること。そして夢はお父さんのような大工さんになること――。

 「早くよくなって、サッカー一緒にしよう」

 原口から送られたメッセージは、どんな時でも枕元に置かれ、勇気を与え続けた。

 今回のワールドカップ・ロシア大会ベルギー戦のゴールも、そんな二人の”男の約束”の先に待っていたのだろう。

文:サカノワ編集グループ

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