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W杯とJリーグの混戦模様、カズが語った共通する要因「比較はできないけど…」

天皇杯3回戦の横浜ダービー。ラフプレーが起きたあと、カズが西村主審のもとへ。(C)SAKANOWA

「サッカーは力の差を埋めるための、スピリット、やり方、戦術がある」。

[天皇杯 3回戦] 横浜FM 2延長1 横浜FC/2018年7月11日/ニッパツ三ッ沢球技場

 横浜FCのカズことFW三浦知良がキャプテンマークをつけて先発し、1-0とリードした72分までプレーした。しかしその後チームはウーゴ・ヴィエイラに2ゴールを許して逆転負けを喫し、4回戦進出を逃した。

 1万人を超す大観衆の前でプレーしたカズは試合後、「ウチもF・マリノスも両チームのサポーターが、最高の雰囲気を作ってくれました。ただ、こういう試合を勝たないと、頑張った、よくやった、いいゲームだった、のままでは本当に強くはなっていけない」と唇を噛み締めた。

 また、「ワールドカップの日本代表の試合と重ねることはないですけれど」と前置きをしたうえで、カズは一発勝負で”下剋上”をより狙える環境が整っていると感じていると語った。

「サッカーは力の差があっても、しっかりしたスピリット(精神)とやり方、戦術があれば埋められる。特に今は分析という部分で、みんなとても進歩している。僕らJ2のチームが、こうしてレベルの高いJ1のチームとやるときにも、試合に対するやり方がある。そういう面では、自分たちが今日はいい試合はできたんじゃないかと思います」

 そのようにカズは負けたことを悔やみながらも、スカウティングスタッフの仕事ぶりをたたえていた。この横浜ダービーでは、GK飯倉大樹からのパス出しには、カズをはじめ必ず誰かがプレスへ行くように徹底され、「そこは試合前から言われていた」と相手のビルドアップに自由を与えなかった。そして1-2とリードされながらも試合終盤には二度の決定機を作っており、ほぼベストメンバーの横浜FMを最後まで苦しめた。

 カズは天皇杯史上最年長となる51歳135日での出場を果たした。「ダービー、楽しかったね。ウチの19歳、20歳の選手が出て、やっぱり上(J1)に上がらないとダメだと感じる経験をできたのは、クラブ、サポーターにとっても大きい」と、J1復帰に向けて、強い刺激を受けたことをプラスに捉えていた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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