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前田大然がU21代表で最大3試合欠場。松本の反町監督が見せた親心と複雑な心境

松本山雅の前田大然。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

 「アジア大会無理かなと思ったですが…」。町田戦は欠場に。

[J2 27節] 千葉 2-3 松本/2018年8月4日/フクダ電子アリーナ

 松本山雅FCのFW前田大然がジェフユナイテッド千葉戦の前半終了間際、CB近藤直也を爆発的なスピードで突き放して値千金の同点ゴールを突き刺した。松本はその後に逆転に成功。首位の座をキープした。

 試合後、反町康治監督は記者会見で次のように前田について語り、苦笑いを浮かべた。

「よく決めてくれましたね。代表に呼ばれたことによって、自信が生まれていると思います。まあ、後半に足を傷めたときには『アジア大会、無理かな』と思ったんですが立ち上がったので、快く送り出さないといけないなと思いました(笑)」

 前田はインドネシアで行われるアジア大会に臨むU-21日本代表のメンバーに選出された。8月14日に開幕し、決勝は9月1日。前田は11日のカマタマーレ讃岐戦まで戦い、その後の8月18日の2位町田ゼルビア戦を欠場。さらに25日の6位横浜FC戦、9月1日の12位水戸ホーリーホック戦も抜ける可能性がある。反町監督のコメントは、基本的に招集時に一定の治療を要する診断書があれば、代表招集を辞退をできるという理由からだったが……。ただ指揮官が一方で言うように、U-21日本代表選出による効果も表れ、前線に躍動感をもたらし、チームに逆転勝利をもたらした。

 チームのためにはできれば松本に残ってほしいが、日の丸のユニフォームを着ることで”何か”を掴むキッカケになるかもしれない。反町監督は”可愛い子には旅をさせよ”といえる複雑な心境を覗かせた。

「彼は攻撃でも守備でも力がある。ただボールを止める蹴るところはまだまだなので、トレーニングから口酸っぱく言い続けることで、少しでも伸びていってほしい一人です。スプリント数は1試合平均40回、それも前だけではなく後ろでも発揮できる選手は貴重です。まだまだ伸びしろがあるので期待したいです」

 反町監督そのように「松本のストロングポイント」を評価。また、「近藤直也は大然のスピードを舐めていた。2秒で50メートルの差をつけられるのは我々にとって大きな武器」とも語っていた。というよりも、近藤も十分警戒していたが、それを超えていくスピードだったということだろう。

 韓国をはじめほぼA代表クラスで臨んでくるチームもあり、前田の快足が日本の外でどの程度通用するのか目安を知る機会にもなる。そこで得たものを松本に還元できれば、若手も多いチームだけに大きな相乗効果が期待できる。

文:サカノワ編集グループ

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