埼スタに立った高木俊幸「ブーイングにチャントで応えてくれたセレッソサポーターのために」

セレッソ大阪の高木俊幸。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

激しいマッチアップを展開した新人の荻原拓也に一言――。 

[J1 25節] 浦和 1-2 C大阪/2018年9月1日/埼玉スタジアム

 セレッソ大阪のFW高木俊幸が浦和レッズ戦、ハーフタイムに柿谷曜一朗と交代出場し、昨季まで在籍した古巣のホームだった埼玉スタジアムのピッチに立った。「今年一番楽しみにしていた試合の一つ。プレーできて嬉しかったです」と振り返り、桜の13番をつけて2-1勝利を収められたことを喜んだ。

 良い意味での緊張はがあったという。ただ、浮き足立つことはなかった。

「3年間このチームでプレーして雰囲気に多少なりとも慣れることができていたので、こうして戻って来て、改めて最高の雰囲気のスタジアムだなと思いました。それが今回は逆に力になった気がしました」

 高木が心に残るシーンがあったという。

「(浦和サポーターからの)ブーイングは聞こえました。『あ、来た、来たな』って。ただ、言い方が良いのか、悪いのか、気持ち良かったです。それにレッズのサポーターのブーイングに対して、セレッソのサポーターが自分のチャントを歌って、名前をコールしてくれた。あそこでスタジアムが一瞬、自分のことで一体感が出た。力が出たし、ちょっと嬉しかったです」

 高木が改めてC大阪のサポーターの支えを誇りに思い、その声援を力に変えて戦いたいと強く感じた。

「浦和は規模も大きく、それだけ期待を背負っているクラブ。その大きな責任を自分は感じすぎていた部分もあり、期待に応えられる実力がありませんでした。その反省を生かして、セレッソでは思い切って、自分の良さを出して、認めてもらおうという気持ちが強いです。それも、ここでの経験が生きていると思います。マイナスのことは考えず、自分らしくチャンレンジしようという気持ちでできています

  後半の45分間、とりわけ同サイドで対峙した荻原拓也と激しいマッチアップを展開した。浦和ユースから昇格したルーキーだが、2種登録でトップチームにいた昨季も何度か一緒にプレーしている。そんな19歳のアグレッシブさに負けてたまるかと球際では強さを示してみせた。

「結構、スラっとしているけど力のあるヤツ。なかなか手強いですけど、こちらも、もちろん負けていられませんでした」

 そしてサイドを主戦場にする荻原にこんなエールを送っていた。

「これからの浦和に必要な選手。だからこそ、結果を残していってほしい」

 当たり前のことを言っているようで、一言ひとことに意味がある。

 感覚のみならず考えながら選択するようになった高木の一つひとつのプレーと、この日発した一つひとつの言葉は重なるところがあるように感じた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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