左のユーティリティ&スペシャリストへ――浦和DF荻原拓也の挑戦

浦和レッズでプレーする荻原拓也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

浦和の切り札となるルーキー。サイドバックで起用されるU-19日本代表では「攻撃パターンを増やす必要がある」。

 メキシコ遠征中のU-19日本代表は現地時間の9月7日午前、現地でU-19メキシコ代表と対戦する。その遠征に先駆け、3日に千葉県内で組まれたU-19ベトナム代表との練習試合で、4-4-2の左サイドバックで先発したのが浦和レッズのルーキー荻原拓也だった。

 調整も兼ねて前半45分間の出場となったが、荻原はそのなかで課題と収穫の両方を掴んでいた。

「チーム(オズワルド・オリヴェイラ体制下の浦和)では前めのポジションに取り組み、このU-19代表では4バックの左ですぐプレーし、正直、頭の切り替えが難しかったです。かなり高い位置をとって、カウンターを受けて戻り切れなかったシーンもありました。(メキシコ遠征では)慣れる意味でも、一つずつのプレーをしっかりやっていきたいです」

 浦和ユース時代は左サイドバックを主戦場としてきたが、トップチーム昇格した直後の3月のルヴァンカップの名古屋グランパス戦で2ゴールを決める衝撃デビューを果たして脚光を浴びた。するとその後、大槻毅代行監督とオリヴェイラ監督の下では、その強力な左足のキックと立ち向かう姿勢が買われ、前線で起用されている。

 一方、U-19日本代表ではチーム発足から最終ラインで起用されてきた。影山雅永監督からも今回、「代表ではサイドバックだから、しっかりそこの部分で頭の切り替えるように」と言われているそうだ。

 荻原は「90分通してプレーできるチャンスは、今このチームしかない。そのチャンスを生かしたい」とも話す。ロシア・ワールドカップの中断明けはリーグ戦の全試合でベンチ入りし、切り札的に4試合で起用されている(今季通算6試合出場)。ただ、1試合通じての経験を積みたいところだけに、U-19代表も貴重な真剣勝負の場となっている。

 加えて、思い切りの良い”無鉄砲さ”も武器の一つだが、冷静に自身を俯瞰する力も備えている。ベトナム戦の45分間で、荻原は次のようにチームの課題も感じ取っていた。

「相手ありきなのがサッカー。べトナムもいいチームで(日本とともにU-19アジア選手権に出場)、しっかり構えてきたところで攻撃が手詰まり、単調にボールロストからカウンターを受ける展開が続いてしまった。攻撃パターンをもう少し増やす必要があるとは感じました。本番のアジア予選ではカウンター一発で決められ、あとはドン引きされる展開も十分にあり得る。そういった意味では良いシミュレーションができました」

 来年のU-20ワールドカップのアジア最終予選となるU-19アジア選手権が10月からインドネシアで開催される。その予選本番を控えた最後の強化となるのが、今回の中断期間を利用したメキシコ遠征だ。U-19メキシコ代表、U-19ブラジル代表、そして地元のU-20クラブ・アメリカと3連戦をこなす日程も含め、アジア予選を見据えたシミュレーションとなっている。

 左サイドのユーティリティでありスペシャリストになるため――。荻原には対応力や柔軟性とともに、チームの起爆剤となり得るオーバーラップや強烈なショットなど”爆発的”なプレーを期待したいところだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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