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ゲッツェ再びメンバー外の真相。香川真司が序列で上回る?

香川真司 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「もはやニュースではなくごく普通のことなのか」とドイツ紙。

[ブンデスリーガ1部 5節] ドルトムント 7-0 ニュルンベルク/2018年9月26日/ジグナル・イドゥナ・パルク

 ドルトムントのマリオ・ゲッツェが9月22日のブンデスリーガ4節ホッフェンハイム戦(△1-1)、続く26日の5節ニュルンベルク戦(〇7-0)と2試合連続でメンバー外となった。連戦の中での「2戦連続欠場」にドイツ国内で話題を集めている。大衆紙『ビルト』は、「これはニュースではなく、もやは普通のことになっていくのか」とやや寂しそうな表現で評している。

 一方、香川真司は対照的にリーグ戦2試合連続メンバー入り。ホッフェンハイム戦での先発出場から、ニュルンベルク戦ではベンチスタートから62分にマルコ・ロイスと交代出場となった。ただチャンピオンズリーグのクラブ・ブルージュ戦(〇1-0、62分から途中出場)から3試合連続で起用されており、開幕時に続いたメンバー外から着実に出場機会を増やしている。

「中盤が8、9人、特にセンターハーフが非常に多い。しかし全員が戦力だ」

 今季就任したリュシアン・ファーブル監督はそのように語っている。

 今回香川投入後にさらに3点が追加されて勝利したことを考えると、ひとまずトップ下の序列で、香川がゲッツェを越えたと見ていいようだ。とはいえ、もちろん香川が指揮官の信頼を得た、とはまだ言えない状況ではあるが。

 ニュルンベルク戦のあとファーブル監督はゲッツェをメンバー外にした理由について、「システムと対戦相手によってだ」と説明している。

 この試合では、4-2-3-1のトップ下に29歳のロイスがトップ下に入り、2得点1アシストと活躍。そして左SHに20歳のヤコプ・ブルーン・ラーセン、CFに24歳のマキシミリアン・フィリップ、右SHに20歳のクリスチャン・プリシッチという若手たちも躍動した。さらにCBのダン=アクセル・ザガドゥと右SBのアルシャフ・ハキミはいずれも19歳だが、レギュラーの座を掴もうとしている。

 ファーブル監督は「若いポテンシャルを秘めたタレントがこのチームには揃っている。彼らには時間が必要だ。私たちが彼らの年齢だったときと同じように、成功もあれば失敗もする。その可能性を引き出すためには、働かせ続けることが大切だ」と語る。スタメンの平均年齢は24.7歳と、世代交代が急速に進む。そのバランスを取りながら、チームを勝利に導くため、29歳の香川やロイスの経験値が必要とされている感じだ。

 もちろん、年齢を重ねながら洞察力を深めるなど進化を遂げる香川が、現状に満足などしているわけがない。長いシーズンが始まったばかり。日本代表の「10番」を付ける男の力が、今以上にドルトムントに必要とされる日は来るはずだ。もちろん同様に、2014年のブラジル・ワールドカップでのドイツ代表優勝メンバーであるゲッツェも、このままでは終わらないはずだ。

文:サカノワ編集グループ

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