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【インタビュー】望月重良(SC相模原代表)「クラブ誕生10年、情熱の旅路 #1」

インタビュー

JリーグJ3SC相模原望月重良

サカノワスタッフ

2018年、SC相模原は創設11年目――新たな10年に突入。望月代表の情熱の火は発足時と変わらず熱く燃えたままだ。(C)SAKANOWA

 何かのきっかけやタイミングで人生が変わる。そう実感してきた歳月。

――2008年2月にSC相模原が発足して、今年で11年目を迎えます。これまで10年間を振り返ってみますと、どのような思いがまず湧いてきますか?

 10年前、まったくのゼロのところから始めました。チーム名を決めて、選手を集めて……最初は神奈川県3部リーグでした。地道に少しずつコツコツと、目の前にある試合に全力で臨む。その小さな積み重ねがあって、こうしたJ3のクラブへとなっていきました。

――改めてですが、望月さんと相模原の接点は?

 それこそ、たまたまです。運命と言っていいでしょうか。生まれは相模原ではありません(静岡県清水市出身)。2006年のシーズン後に横浜FCを最後に現役引退し、相模原の知人と食事をしたのがきっかけです。そこで居酒屋の大将から、「相模原にはこれといえる自慢できるものがない。だからJリーグのチームを作ってくれよ」って言われて。そんな何気ない会話から、「よし、やってみよう!」と。

 ただ引退する際、第2のサッカー人生は指導者として歩むことしか考えていませんでした。ライセンスも取得しています。だからイメージしていたセカンドキャリアとは、まったく異なる世界が待っていたわけです。何かのきっかけやタイミングで人生が変わる。この10年間は、そう実感することの多い歳月でもありました。

――1試合平均約4000人の方が来場されています。望月さんの人望があってこそ、ゼロからここまで来ることができたとも思います。

 いえいえ、みんなと協力して、支え合ってやってきました。相模原の地元の皆さんに支えられて作り上げてきたチームです。これからも、皆さんと一緒に歩んでいくというスタンスは変わりません。

――チーム立ち上げの初動の時は大変だったのでは?

 今もまだまだではありますが、認知度は少なからず上がってきています。Jリーグに所属しているということで信用を得られて、クラブに価値が生まれています。ただ、発足時は、チームを立ち上げます、Jリーグを目指します、だからスポンサーになっていただけませんか、とお願いする。そりゃあ誰も信じてくれませんよね(笑)。まずは足を使って汗をかいて、いろいろな方とお会いする。そこから始めました。

――嫌な目にあったことは?

 嫌な思いをしたことはありません。ただ、いろいろなことが起こりました。それでも自分がチームを立ち上げ、Jリーグに行くんだという情熱を持っていた。そこにやりがいを見出して突き進んで行く。そういうパワーがありました。

 まったく分からない会社法を一から学び、休みなんてありませんでした。でも、それが苦しかったとは思いません。いいものを作りたい。その気持ちが上回っていました。だから苦労はあったかもしれませんが、当時はそんなこといっさい感じませんでした。チームが成長していくことが楽しかったですし、一つずつカテゴリーを上げて昇格していくところに充実感がありました。

(#2「J3参戦5年目。リーグの魅力と課題は? そしてスタジアムについて――」に続く)

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