【2018に懸ける #2】プロ17年目、近藤直也は悔しさを力に変えて突き進む

昨シーズン以上に、期待しているのは近藤自身かもしれない。写真:石田達也/(C)Tatsuya ISHIDA

ジェフユナイテッド市原・千葉のキャプテンとして、新境地に至る。そして新シーズンへ――。

 ジェフユナイテッド市原・千葉に加入して2年目となった2017シーズン、近藤直也は「中学生以来ですよ(笑)」というキャプテンを務めた。

「このチームをJ1に上げたい。その気持ちがとにかく強かった。実現するために何をすべきかを考えたとき、まず僕自身がしっかりとしたプレーを見せることが大事だと思ったんです」

 自らを律した先、新たな境地を切り拓いた。背中でチームを支えてきた男が、ときに若手にアドバイスを送り、手本となるプレーも示した。

「若い時は自分のプレーさえ良ければ一定の満足感はありました。ただキャプテンという立場になり、むしろ自分が成長できるチャンスをもらえて、自分のプレーの良し悪しよりも、チームの勝ちが何より大事だって素直に思えるようになりました」

 J1昇格プレーオフ準決勝の名古屋グランパス戦は2-4で敗れた。リーグ7連勝の勢いを持ち込みたかったが……厳しい現実を突きつけられた。試合後、近藤は唇を噛み締めて語った。

「周りの選手を落ち着かせるようなプレーをしたかったけれど、最後までマネージメントできなかったことが悔しいです」

 自分自身よりも、まずチームのことを考えていた。ポーカーフェイスの近藤が、珍しく顔を真っ赤にして言った。

「ただ自分たちのやることを変えず、ブレずにやり通せたことで、最後の最後に自信を持ててチームに勢いをつけられました。リーグ戦の終盤はサポーターに良い形を見せられて、少しだけほっとしている気持ちはあります」

 キャプテンは続けた。

「でも……良い戦いをしながら簡単に失点をしてしまった。安定感がなかった責任を感じています」

 近藤はそう語りながら、自分自身と向き合っていた。彼は昇格できなかった大きな責任を受け止めようとしていた。

 ただ、2018年にプロ17年目を迎える近藤だ。この悔やんでも悔やみきれない失敗さえ、力に変えるしかないと受け止めていた。そして彼は前を向いた。

「安定感、メンタル、経験値を積めれば、もっと強さを発揮できて、さらに上に行けるはずです」

 2018年、千葉の唯一無二の目標はJ1昇格になる。ただ――、勢いとか、安定感とか、そういった言葉では言い表せない、フアン・エスナイデル監督のもとで培った情熱的な戦いを続けたいというのが、強い思いだ。そこに後退はない。

 近藤の契約更新が発表された。むしろ、これまで以上に高まる期待を、力に変える覚悟で新シーズンに向かう。近藤とフアン・エスナイデル監督とジェフユナイテッドの本気の戦いが、これから始まる。

(前編はこちら

取材・文:石田達也
text by Tatsuya ISHIDA

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