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安西幸輝が語った内田篤人との「初対面」の逸話。「小6の時、僕が手を挙げて―」

安西(32番)にとって、内田(2番)は小学6年からの憧れの存在。新体制発表会見で、新ユニフォームを着て隣同士に。39番は犬飼、19番は山口、31番は沖。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

鹿島ハイツでの関東トレセン。「あのときから憧れてきた」という10年を経て、一緒に鹿島のユニフォームを着る。

 東京ヴェルディから鹿島アントラーズに移籍した安西幸輝が、内田篤人との「出会い」に関する意外なエピソードを披露してくれた。

 初対面は安西が小学6年生のとき、茨城県鹿島ハイツスポーツプラザで開催された関東トレセンだった。鹿島アントラーズの主力である内田と興梠慎三(現・浦和レッズ)がスペシャルゲストとして参加していた。

「きっと、内田さんは覚えていないと思いますけれどね(笑)」(安西)。

 そしてイベントの最後、子供たちからJリーグでプレするふたりへの質問コーナーが設けられた。「質問がある人?」と内田から尋ねられ、真っ先に「はい!すいません」と手を挙げたのが安西だった。

 すると、内田から「安西くんのように、そうやって最初に手を挙げられることは、とても良いことだと思うよ」と褒められた。

 名乗った自分の名前をすぐに呼び返してくれて、しかも小学6年生の心に伝わるまっすぐな言葉を投げかけてくれた。安西はたまらなく嬉しかった。嬉しさのあまり、「いったい何を質問したのか、そこが抜け落ちているんですよ(笑)」と、内田とのやりとりの内容は忘れてしまったそうだ。

 2018年、奇しくも同じタイミングで鹿島に加入した。両サイドバックを主戦場にする安西にとって、内田はライバルにもなる。

安西(32番)は「両サイドバックをできるのが持ち味だが、一番の武器といえる左からのドリブルを見せたい」と抱負。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「あのときから、ずっと憧れてきました。僕は左右の両サイドバックができるので、どちらでも試合に出たいと思っています。内田さんから盗めるところは山ほどありますので、そこをしっかり自分のプレーに還元していきたいと思います」

 1月9日の始動から2日間、安西は鹿島の一員としてトレーニングしたが、「練習中から緊張感があり、そこはヴェルディとは正反対だと思いました」。

  そして西大伍が負傷により戦線離脱中で、2月14日ホームで迎えるACL(アジアチャンピオンズリーグ)初戦・上海申花戦では先発の座を勝ち獲ることが期待される。

「そこはやはりプロである以上、気持ちを込めて狙っていきたいと思います」

 安西はそのチーム内の雰囲気に、さっそく新鮮さとやり甲斐を感じていた。東京ヴェルディユースから昇格して常に主力を担い、プロ5年目を迎える。むしろ早い段階での安西&内田の共演もあり得るかもしれない。初対面から10年のときを経て鹿島ファミリーとなったふたりが、互いを高め合いながら、タイトル獲得に向けてチームを高みへと導く。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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