【鹿島】内田篤人が注目を集めるなか、唯一の新人GK沖悠哉が静かに熱く一歩を踏み出す

唯一ユースから昇格を果たした沖(31番)が、プロとしての一歩を踏み出した。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

大先輩の曽ヶ端から学びつつ、「これからは憧れではなく、越える選手にならなければ」

 内田篤人の加入により多くの報道陣が詰めかけた1月10日の新体制発表会見で、鹿島アントラーズユースから唯一昇格した沖悠哉も強い決意を語り、プロとしての一歩をしっかりと踏み出した。

  U-15からU-20まで各世代の日本代表に選ばれてきた有望株で、優勝を果たした2014年のU-15クラブユース選手権ではMVPを受賞している。

 1999年8月22日生まれの18歳、184センチ・82キロ。背番号31は鹿島のアカデミーで長く指導を受けてきた市川友也GKコーチが、97年にユースからトップチームに初めて昇格した選手として付けていたもの。そこにも伝承を大切にしてきた鹿島のひとつの時代が感じられる。

 昨季も2種登録はされていたが、これからは契約を結んだプロ選手として戦うことになる。

 新体制発表では、すでに実績を残して鹿島に移籍してきた選手と大勢の報道陣に囲まれ、戸惑いは隠しきれなかった。それでも沖は自分の言葉で、静かに熱く決意を語った。

「練習場にファンやサポーターの方々が来てくれて、『サインをください』と声を掛けてもらう些細なことでも、プロのサッカー選手になれたんだなと思います」

沖のプロキャリアが始まった。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

 そう初々しく沖は話す。これからはGKとしてのポジション争いに挑む。守護神の曽ヶ端準、韓国代表経験のあるクォン・スンテ、ユース出身の先輩である川俣慎一郎がチームメイトであると同時にライバルになる。

「今までは憧れだった選手ですけれど、これからは同じ土俵の上に立つので、目標ではなく、しっかり越えられる選手にならなければいけないと思っています。そのためにも1日1日を大切にして頑張っていきたいです」

 GKとしての高い能力に加え、近代的といえる足もとのテクニックの高さを備え、「ビルドアップのところは誰にも負けたくないです」と決意を示す。

「ずっとTVやスタジアムで見てきた選手が今では目の前にいて、曽ヶ端選手、小笠原選手は言動に重みがあると感じます。少しずつそういった姿勢も、自分のものにしていきたいです」

 練習からクオリティの高い鹿島のアタッカー陣のシュートを止めて、信頼を掴み、一歩ずつ前進していきたい。ユース出身の大先輩である曽ヶ端が示すように、その積み重ねが大きな実りをもたらすはずだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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