【千葉】完全移籍の為田大貴に漂うブレイクの予感「J1昇格はマスト。その上で…」

為田(13番)がついに飛躍の時を迎える!写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「自分のようなタイプが少ない、だからこそプレーを突き詰めなければ」

 大分トリニータ、アビスパ福岡でプレーし、昨季途中にジェフユナイテッド市原・千葉にレンタルで加入した為田大貴が、2018シーズンは完全移籍に切り替えて、新たな決意を胸に挑む。

 2月4日の柏レイソルとのちばぎんカップでは、4-1-4-1の左サイドハーフとして先発し、緩急を織り交ぜたドリブルや鋭いキックでチャンスを作り出していった。ボールをしっかり収め、正確にコントロールするテクニックに長け、千葉の13番にパスが渡ると一旦プレーが落ち着き、そこからチームとしてもゴール前に向かうパワーをぐっと貯められる。為田はそういった自身の役割を把握している。

「自分のようなタイプの選手はチームに少なく、そのプレーが求められていることは分かっています。その意味では、自分自身のプレーを、もっと突き詰めないと意味がない。自分のプレーで流れを変えられる。たくさんのチャンスを作ってもらって僕が何かをするのではなくて、僕がたくさんのチャンスを作らないといけない。そういう面では、常に前を向いてプレーできるようにしていきたいです」

 今回の柏戦では、モンテディオ山形から加入した高木利弥と左サイドを形成し、交代する61分までアグレッシブに仕掛けていった。左サイドが、チームがアクションを起こす際の「矛」になっていく予感を漂わせた。

 途中加入の昨季とは異なり、今季はキャンプから全メニューをこなす。為田は「守備でも攻撃でも、自分を生かせるプレーが増えてきた」と手応えを得ていた。

 新体制発表会では、たくさんの黄色い声援を浴びた。ただピッチの外で見せるヤンチャな表情とは裏腹に、ピッチ内では堂々と負けん気の強さを前面に出して相手を飲み込むように襲い掛かる。

 東慶悟、清武弘嗣に続く大分ユース出身の攻撃的MFの系譜に当てはまる有望株は、高校時代からトップチームに帯同。ただ高い能力を持ちながら突き抜け切れず、浮き沈みの激しいチームのなかで苦しみ、そして福岡を経由して昨年の夏に千葉に辿り着いた。すると短期間ながら、17試合4ゴールと結果を残した。

 実質プロ6年目、フアン・エスナイデル監督のもと、まさに自らの殻を打ち破ろうとするように、思い切りよく積極的に仕掛けている。そんな気持ちのこもったプレーが、ファンの心をも熱くさせる。今季、これまでにないブレイクが十分期待できる。

「もちろんJ1昇格はマスト。それがとても難しいことは分かっていますが、自分が年間通して役立てるようにしっかりやっていければと思います。その上で僕の数字が上がれば、チームの勝点が上がる。そのためにゴールやアシストも増やしていいきたいです」

 そう語る為田は開幕が待ち遠しそうだった。まだ寒い日は続くが、確かに春は近づいている。

■プロフィール■為田大貴 ためだ・ひろたか/1993年8月24日生まれ(24歳)。長崎県長崎市出身。オオタFCー長崎アシストサッカーユニオン―大分U-15―大分U-18― 大分―福岡―千葉。175センチ・66キロ。昨季J2・17試合4得点、J1通算42試合1得点、J2通算130試合17得点。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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