【松本】ニュースター候補の前田大然が攻撃の火付け役に「あとは結果」

前田が再三に渡って敵陣を切り裂き、チャンスを作り出した。(C)SAKANOWA

沼津との練習試合で永井龍と2トップを組み、「全体的には悪くなかった」。守備面では収穫も。

 プロ2年目の昨シーズン、前田大然は松本山雅FCから期限付き移籍した水戸ホーリーホックで13ゴールを奪い、ブレイクを遂げた。サイドからえぐる超高速ドリブルは観る者を魅了し、声援が大きくなればなるほどそれを力に代えて、「結果=ゴール」を残していった。

 だからこそ2018年は楽しみだ。Jリーグ屈指の熱量を誇る松本のサポーターの地鳴りを起こすぐらいの大きな声援を、この男は自分のパワーに取り込み”何か”を起こしてくれる。そう期待せずにはいられない。

 2月7日の45分×3本で行なわれたアスルクラロ沼津との練習試合、前田大は1本目と、3本目の途中から出場した。名古屋グランパスから加入した永井龍と2トップを組んだ1本目は、ボールを持てば前線の火付け役となり、沼津の守備陣を再三にわたって混乱に陥れた。ゴールに近いエリアでギャップを生み出し、永井の飛び出し、前田直輝のセカンドボールへの攻撃参加、そして下川陽太らのサイドアタックを引き出すなど、攻撃を牽引し、チームに勢いをもたらした。

「全体的には悪くなかったので、あとはどんな形でもいいので結果にこだわっていきたいです」

 前田大はそのように振り返った。チャンスは多く作り出せていただけに、フィニッシュを決め切れなかったことを悔やんだが、あとは決めるだけだとテーマも明確になった。同時に「1本目(最初の45分)は割と守備もハマっていた」と、2トップによる守備が機能した点は収穫に挙げていた。

 御殿場での1次、清水での2次、そして9日から鹿児島での3次とキャンプによる遠征が続く。松本に実際に帰還するのは、もう少し先だ。ただ、前田は充実の日々を送っていると言う。

「1年間水戸でプレーして、とても自信を付けて帰って来ることができて、今はとても楽しくできています。一度怪我をしてしまってから徐々にコンディションは戻り、もうほとんど問題ありません。いい状態で、開幕を迎えられます」

 この日、サポーターが選手バスを活用するイベントで、松本から大勢のスポンサー関係者らが清水まで訪れた。観客席は立ち見も出るほど盛況。そんな大勢の期待を、前田はしっかり肌で感じ取っている。

「期待は感じています。持ち味のスピードを生かして、ゴールという形でしっかり応えていきたいです」

 前田がつむじ風のようなドリブル突破からゴールを決め、アルウィンが熱狂に包まれる。そんなシーンを想像するだけでも心が躍る。ただ、その瞬間が現実になるのはそう遠くないはず。そしてそんな痺れるときを何度も提供してもらいたい。その一つひとつの積み重ねが、チームをJ1昇格の高みへと導く。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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