魂のダイビングヘッドで長崎がこじ開けたJ1初ゴール。無敗神話の続く「ワクワクドキドキ」のホーム開幕戦につなげる

Jリーグ

V・ファーレン長崎田上大地

サカノワスタッフ

16分、田上(左から二人目)が長崎のJ1初ゴールを決める!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

「負けたので…」笑顔のない田上大地の表情が少し緩んだのは――。

[J1 1節] 湘南2-1長崎/2018年2月24日/BMWス

 V・ファーレン長崎が初めて立ったJ1のステージ。1点リードされて迎えた16分だった。前田悠佑のFKを髙杉亮太がヘッドで合わせ、GKに弾かれたところをDF田上大地が気持ちの伝わる豪快なダイビングヘッドで叩き込んでみせた。

「練習でやっていた形です。上手くスペースに入れました。まずスギさん(髙杉)が打ち、そのこぼれ球が来て。運が良かったですね」 

 そう田上が振り返る、多くの人のさまざまな思いのこもった魂の一撃が、長崎の記念すべきJ1初ゴールとなった。力いっぱいでこじ開けた。

 

「長崎にとって初めてのJ1挑戦で、ファーストゴールを取れたことは素直に嬉しいです。けれど、チームが負けてしまったので……。嬉しくなくはないですけど……勝利に結び付けたかったです」

 そのように淡々と話す試合後の田上に、笑顔はなかった。得点できた喜びよりも、DFとあって2失点を喫して敗れたことに責任を感じていたのだ。

「もちろん開幕戦は特別です。この一戦のためにキャンプから準備してきたので、その意味でも悔しいゲームになってしまいました。湘南も僕たちもお互いに(J2から昇格し)J1の舞台で戦うということで気合が入っていましたし、もちろん勝ちたかったです……。すべて出し切ったので、次に切り替えます」

 流通経済大から加入して3年目の24歳。しかも、これが昨季の1点に続き、プロ通算2ゴール目だった。それだけに「運があった」と強調していたのだろう。 

「(ハーフタイムを挟んで)プレスの部分で相手に自由にボールを持たせすぎてしまっていました。そこを修正して、前の3枚がコースを限定しながら追ってくれたので、後半は少し自分たちが思ったような試合ができました」

 一方、そのように修正して戦えた点に、少なからず手応えを得ていた。現実もしっかり捉え、何を修正すべきかも把握できていた。あとは次戦に備えるだけ――2節、ホームでの開幕戦。3月3日19時から、トラスタでサガン鳥栖と対戦する。

「この開幕戦を迎えるまで長崎の多くの皆さんがワクワクドキドキしてこられたと思います。その期待に応え、結果を残せるように、スタジアムから笑顔で帰ってもらえるような試合をしたいです」

 少し田上の表情が緩んだ。昨季最終盤、5勝1分での猛スパートでJ1まで一気に突き抜けた、不敗神話を持つホームに帰る。ステージは上がったが、もちろんその無敗記録を止めるつもりはない。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Ads

Ads