皇后杯を掲げた岩清水の心境の変化に見える日テレ・ベレーザの女王たる理由

岩清水が皇后杯を掲げる。日テレ・ベレーザが女王の貫録を示した! 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

ノジマステラに勝ち、3大会ぶりの優勝。キャプテンが浮かべた日本一の笑顔を浮かべる。

[皇后杯 決勝]2017年12月25日/日テレ・ベレーザ 3-0 ノジマステラ相模原/ヤンマースタジアム長居

「笑顔で終われてよかった」

 3大会ぶりに皇后杯を手にした岩清水梓は満面の笑みを浮かべた。前回優勝時は長くチームを支えてきた小林弥生の引退に伴い、高いモチベーションで臨んだ。今回はまさにチーム全員の思いをひとつに結集して辿り着いた頂点だった。

 決勝スタメンにはベストメンバーが名を連ねたが、ベストコンディションというわけではなかった。最終ラインの有吉佐織と清水梨紗、GK山下杏也加がケガ明けから間もなく、なでしこジャパンとして臨んだ東アジアE-1選手権で途中離脱していた長谷川唯も準決勝からぎりぎり間に合った。キャプテンとして簡単な戦いではなかったはずの岩清水だが、この2試合は笑顔が多く充実感が漂っていた。

「醍醐味ですから!」と準決勝の浦和レディース戦で岩清水がロックオンしたのが安藤梢だ。なでしこジャパンでともに戦った旧知の仲であるアタッカーがボールを持てば、我先に潰そうと猛スピードでチェックをした。まさに“ノリノリ”いや“ルンルン”に近いぐらいデュエルを楽しみ、そして最後まで集中を切らさず守り切った。

 決勝でも「一番楽しい瞬間」という岩清水らしい鋭いチェックで、ノジマステラの攻撃陣をことごとくシャットアウト。センターバックの彼女が躊躇わず、高い位置まで出てボールを奪いに行く。そのフォローを仲間がするという信頼関係が成り立っていた。

 ケガを感じさせない堂々たるプレーを見せた相棒の清水、前線でチームに勢いをつける先制点と3点目を決めた田中美南、縦横無尽に走り回った長谷川唯らを「頼もしいですね」と岩清水は目を細める。後輩たちが頼もしく成長した今、岩清水は新しい自分を発見している。これまでは何もかも自分が責任を負おうとして、いろいろなことを抱え込んできた。しかし若手の確かな成長を受けて、彼女は目の前のひとつひとつの対決に集中することができている。皇后杯という舞台で、ベレーザのチーム力の高さを見せ付けて、岩清水は日本一の笑みを浮かべた。

取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA

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