21歳のFW谷口木乃実がSBにチャレンジ。なでしこ”予備軍”が見せた感情の交差

21歳の谷口がなでしこ入りへ”何か”をしっかり感じ取っていた。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

本家のなでしこジャパンは、今月末から欧州強豪と対戦。人材発掘・強化のプロジェクトも4年ぶり復活!

 来年のFIFA女子ワールドカップ・フランス大会の予選を兼ねた女子アジアカップを4月に控えるなでしこジャパンが、2月末から本格的なチーム構築の場となるアルガルベカップ(ポルトガル)に参戦する。一方で、高倉麻子監督はなでしこジャパン予備軍の発掘・強化を狙う“なでしこチャレンジプロジェクト”を4年ぶりに復活させ、幅広い底上げを行った。

 2月4日からの5日間、かつてなでしこジャパンで活躍した髙瀬愛実(INAC神戸)や、ヤングなでしことして一躍有名になった田中陽子(ノジマステラ)、U-17、U-20女子ワールドカップで連続大会MVPを獲得した杉田妃和(INAC神戸)らタレントが揃った。文字通りなでしこジャパンにチャレンジする意図がしっかり伝わってくる。

 ほどよい緊張感が漂うなか、トレーニングに必死に食らいついていたのが21歳の谷口木乃実(バニーズ京都)だ。初招集となった1月のなでしこジャパン候補合宿から続けての参加。俊敏性に長けた選手が多いなでしこジャパンのなかで、粗削りながら165センチの谷口の力強さは魅力的だった。

「フィジカル強化やシュート精度とか、やらなきゃいけないことがたくさん。毎日、毎日自分の課題が見つかっています」

 男子とのトレーニングマッチではぶっつけ本番でサイドバックにもチャレンジした。

「フォワードとしての視野が広がった気がします。ボールを受けるタイミングとか、こういうときにここにいればボールが出てきやすというのを最終ラインに入ったことで感じることができた。守備は全然ダメしたけど(苦笑)」

 発展途上の谷口にとってここで触れるものすべてが刺激だった。求められることが喜びに直結している。

 未知なる可能性を秘めた真っ新な人材は彼女だけではない。特に今回のメンバーの最年長であった高瀬と櫻本尚子(ジェフ千葉)の二人が“なでしこ入り”を貪欲に狙う意識を前面に出したことで、他の選手たちも触発され、相乗効果がそこかしこで表れていた。

 それは本家・なでしこジャパンでは見られない感情の交差でもあった。今後の成長次第で、形勢逆転も十分にあり得る。少しでも気が緩めば、そのポジションを狙う予備軍がすぐ後ろに控えている現実をなでしこジャパンの面々も肝に銘じておいたほうがいいだろう。

取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA

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