自由って一体何だ? なでしこジャパン長谷川唯が提示する一瞬を大切にする楽しみ方

高倉監督の秘蔵っ子ともいえる長谷川唯。東アジアE-1選手権でどんなプレーが飛び出すのか、楽しみだ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

高倉監督がユースから抜擢した秘蔵っ子。

[東アジアE-1選手権]2017年12月8日/日本×韓国/フクダ電子アリーナ

なでしこジャパンが攻撃に入ったとき、つい目で追ってしまう選手がいる。長谷川唯(日テレ・ベレーザ)だ。156センチと小柄で、国際試合になれば外国人選手とのフィジカルの差は歴然としている。

しかし、驚かされるのはその運動量。単にそれはスタミナがあるだけではない。まさに縦横無尽、彼女が身を置くピッチの範囲がチームで最も広いのだ。

本来のポジションは左サイドハーフで、立ち上がりからリズムを掴むまでは相手をよく観察し、試合のリズムに入っていく。そしてしばらく経つと、攻撃に変化を生むために彼女はサイドから仕掛け、さらに最前線、トップ下、ときには逆サイドにまで顔を出す。ボールに絡んでナンボと言わんばかりにピッチを駆け回る。実に自由だ。

一方、守備に転じれば全速力で戻り、ピンチを察すれば最終ラインにまで加わる。

「ちゃんとケアに戻れば、どこに出て行っても(監督に)怒られないんです」

20歳の長谷川はくすっと笑って言う。ただガムシャラなだけではない。押さえるべき要所はしっかり押さえている。

高倉麻子監督にユース世代から目をかけられ、いの一番になでしこジャパンに引っ張り上げられた。指揮官は「自由にプレーするって難しいんですよ」と言う。“自由”という空間で逆に身動きが取れなくなる選手が多いなか、嬉々としてプレーしているのが長谷川だ。

「トレーニングでやったことを繰り返してるだけじゃダメ。プレーは柔軟に変えていかないと」と、長谷川は語る。ハッキリと言葉にして、ピッチ上でも喜怒哀楽を露にする。その一瞬一瞬を楽しんでいる。彼女が意外性のある動きを見せたとき――それは何かが起こきる予兆。12月8日に開幕する東アジアE-1選手権で、日本は韓国と対戦する(18:55分開始/フクダ電子アリーナ)。その自由な発想から生まれる長谷川のプレーが、誰にも予測できない、あっと驚かせるサプライズをもたらすはずだ。

取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA

Ads

Ads