ケラー監督が見せた内田篤人への期待と愛情

内田(中央)がピッチに倒れこむと、ケラー監督は一目散に駆け寄った(右)(C)SAKANOWA

指揮官は一目散に駆け寄り、膝をついて内田に話しかける。

大腿部の肉離れを起こしていたブンデスリーガ2部ユニオン・ベルリンの内田篤人が、復活に向けてコンディションを上げている。イェンス・ケラー監督は内田のメンバー入りを示唆しており、ピッチを駆ける姿を見せる日が待望される。

今回の離脱につながる負傷をしてしまったのが10月16日の練習だった。前日のレーゲンスブルク戦にベンチ入りしていたものの出場機会を得られなかった内田は、「明日の練習は一旦追い込むから、結構厳しいメニューになる」と語っていた。

実際、攻撃と守備を何度も切り替えて、身体にも心肺機能にも負荷をかけたりするハードなものが続いた。そのなかで内田は2対2の連係でボール奪取からゴールを狙うという練習で、冴えわたるプレーを連発。イェンス・ケラー監督から「ブラボー!」と何度も声を掛けられていた。

その後のミニゲームでは、球際で激しいプレーをして倒れる選手も。そしてヒートアップするなか……GKから「ウッシー! ウッシー!」と声を掛けられパスをさばいた内田だが、手を上げて、歩いてピッチの外に出る。

左の太ももあたりを抑えてその場に倒れ込んだ。すぐにトレーナーが事情を聞き処置をする。

そこに一目散に駆け寄ったのが、練習を見守っていたケラー監督だった。指揮官は膝をついて、内田とトレーナーと目線を合わせ、その表情や息遣いまでも確認しているようだった。トレーナーから説明を受けて、内田にも話しかける。

心配するケラー監督に、内田は親指でOKだと伝えていた。(C)SAKANOWA

内田はトレーナーとともに、練習を切り上げてクラブハウスに戻った。指揮官は悔しそうにピッチから去る内田の肩を叩いて励まし、それに対し内田も大丈夫だと応じた。指揮官はすぐトレーナーから状態を確認し、他のコーチ陣とも情報を共有していた。

シャルケ時代の2012年から2年間、ケラー監督のもとで、右SBのレギュラーとしてプレー。夏にユニオン・ベルリンに移籍してきた理由について内田は、「俺のことを分かってくれている。それが一番大きかった」と語っている。出場のチャンスを掴みかけていたタイミングでの負傷は内田にとって不本意だったはずだ。しかし、あの時からから続いている信頼関係。それを物語るようなシーンだった。内田はその期待に応えようと自分自身のため、そして指揮官や応援してくれる人たちのために戦っている。

取材・文:塚越始

 

Posted by 塚越始

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