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久保建英や香川真司の「飛び級」も。そもそもU-19日本代表とは? プロとして初めて世界に触れる貴重な機会に

U-19日本代表の選手たち(9月の練習試合にて)。(C)SAKANOWA

今日、U-19アジア選手権で北朝鮮と初戦。2年ごとにU-20W杯を目指し、各世代のチームが発足。

[U-19アジア選手権] U-19日本代表 – U-19北朝鮮代表/2018年10月19日19:00(現地)/パカンサリスタジアム(インドネシア)

 U-19日本代表が、北朝鮮代表との初戦を迎える。グループステージは北朝鮮、イラク(22日)、タイ(25日)と同組に。上位2チームが決勝トーナメント(ベスト8)に勝ち上がり、準々決勝で勝てば、来年ポーランドで開催されるU-20ワールドカップの出場権を得る。

 若手の登竜門であり成長の機会として、U-20ワールドカップ(W杯)は2年ごとに開催されている。それに合わせて、基本的にはU-18代表から立ち上げられ、1年ごとに年齢と合わせて、U-19、U-20とカテゴリーが上がる(U-17世代にも当てはまる)。

 とりわけU-20W杯は、プロになったばかりの若手が多く集う大会として知られる。過去にはリオネル・メッシ(05年大会)らスーパースターも戦っている。

 今回の久保建英や斉藤光毅は17歳で、ひとつ下の来年発足するU-18世代にも該当する。ただ、平山相太(02、04年当時アジアユース出場)、香川真司(06年出場)なども17歳の時点で選出されている。いわゆる「飛び級」だ。

 日本は国際経験を積む機会が限られるため、このU-19アジア選手権の先にあるU-20W杯を重視。フィリップ・トルシエ体制下の1999年のナイジェリアU-20W杯では準優勝を果たし、結果、2002年の日韓W杯でのベスト16進出につなげた。

 ただ近年は、監督の人選失敗や育成方針のブレなど問題を露呈。環境も大きく変わる(Jクラブの活動も優先するようになるなど)なかで、2009年から4大会連続で出場権獲得を逃してきた。そういった影響が少なからず、2005年と07年のU-20W杯に出場した「北京五輪世代」の選手が長く、日本代表の主力の座を務めてきたことにも関係していると言える。U-20W杯に出られるか出られないかで、その世代全体の強化育成に影響が及んでしまうのだ。

 そんななか、前回2016年のU-19アジア選手権で、現日本代表の堂安律や冨安健洋、現U-21日本代表の板倉滉や遠藤渓太らを擁した日本が5大会ぶりのU-20W杯の出場権を獲得し、初優勝を成し遂げた(翌年のU-20W杯は、ラウンド16でベネズエラに敗れた)。

 インドネシアでの今大会に臨むU-19日本代表は、東京五輪世代にもあたる。ただ、すでに堂安律、冨安がA代表デビューを果たしたように、東京五輪&A代表の森保一兼任監督のもと、この世代も「五輪&A代表」のセットで強化育成されていくことになるだろう。

 浦和レッズの橋岡大樹、湘南ベルマーレの齊藤未月、鹿島アントラーズの安部裕葵、東京ヴェルディの藤本寛也など、10代にしてJリーグで主力を務める選手が多いことが特長に挙げられる。その一方で、サガン鳥栖の田川亨介、ヴィッセル神戸の郷家友太、名古屋グランパスの菅原由勢ら、一時期より出場機会を減らしている選手もいる。そのあたりの選手間の試合勘の幅がどのように影響するのかも鍵となる。

 明るく元気のいい選手が揃い、その雰囲気を影山雅永監督が上手く盛り上げている。このなかから、果たして何人の選手が日本代表に選ばれるのか。この世代の選手たちが、これからの日本を牽引していく可能性は十分にある。そのためにも、まずはU-20W杯の出場権を掴み取りたい。

 北朝鮮戦は19日現地19:00、日本時間21:00開始だ。

文:サカノワ編集グループ

Posted by 塚越始

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