サッカー版二刀流!DFW闘莉王で京都快勝「クローザーみたいでしょ」
横浜FC戦、後半途中から出場した京都の闘莉王。(C)SAKANOWA
途中出場からCFで起点になり、CBで締める!
[J2 12節] 横浜FC 1-3 京都/2019年5月5日/ニッパツ三ツ沢球技場
京都サンガF.C.の田中マルクス闘莉王が、後半途中からセンターフォワードとセンターバックでプレーする「二刀流」で勝利に導いた。
若いタレントが躍動した京都は、12分に大野耀平、47分に仙頭啓矢、60分に重廣卓也のゴールで3-1とリードを広げる。迎えた68分、プロ3年目24歳の大野と代わって19年目になる38歳の闘莉王が投入される。
まず闘莉王は最前線に入って、ターゲット役を担う。ゴールキックの際には両サイドの深い位置にポジションを取って起点に。相手最終ラインを押し下げることで、間延びを誘発させた。また、最終ラインの近くに下がってきたアテネ五輪&南アフリカ・ワールドカップのチームメイトである松井大輔との対決も実現。試合のテンションがここで改めて上がった。
しかし、横浜FCにラッシュを仕掛けられると、京都の全体のバランスがやや悪くなる。すると84分、福岡慎平に代わって一美和成が投入。今度は一美がセンターフォワード、闘莉王が最終ラインに入った。
すると闘莉王は今度、ピンチで身を挺してボールをクリアするなど体を張ってゴールを死守。最後は完全に試合を落ち着かせ、京都が3-1で勝利を収めた。
闘莉王が見せた一人二役、まさに二刀流の活躍だ。
「野球のクローザーみたいでしょ」
試合後、彼はそのように笑った。この役割は本人ももちろん納得している。むしろ攻守で必要とされていることにやりがいも感じる。何より”DFW(DF & FW)”の闘将は京都のJ1昇格のために、その全力を注ぐ覚悟を示した。
「なんでもやるよ。やれることはやる。できることは、なんでもやろうと思っている。長年やってきた経験をすべて生かしてね。やれるだけのことを全力でやっていきます」
京都が3試合ぶりの勝利で、5勝4分3敗に。プレーオフ圏から先を狙える位置にまで順位を上げた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI