「自己主張がない」ナーゲルスマン電撃解任の舞台裏とは?サリハミジッチ大激怒。トゥヘル新監督が週明けから指揮へ
ナーゲルスマン(左)とトゥヘル(右)。(Photo by Maja Hitij/Getty Images)
以前からトゥヘル招聘を検討、そうしたなかレアル・マドリードやトッテナムに先に奪われる可能性が…。
ドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘンのユリアン・ナーゲルスマン(Julian Nagelsmann)監督が3月24日、電撃解任されることが決まった。後任はチェルシーFCを退任したあとフリーになっていたトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)の就任が決定的で、週明けから指揮を執る。
ドイツ最大部数を誇る大衆紙でありタブロイドの『ビルド』は、この監督交代劇の舞台裏を詳しくレポートしている。
バイエルンは3月19日にバイエル・レバークーゼンに1-2で敗戦。ボルシア・ドルトムントに首位の座を明け渡した。
しかもこのインターナショナルウィークのあと、バイエルンは4月1日にそのドルトムントとの頂上対決、さらにDFBカップ準々決勝のSCフライブルク戦、UEFA欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝のマンチェスター・シティ戦が控えている。
ドルトムントに敗れたあとクラブOBであるハサン・サリハミジッチ理事は激怒したという。
「あれはバイエルンではない! 意欲、メンタリティ、デュエル、自己主張がまったく感じられない。そんな姿はこれまでバイエルンでほとんど見たことがない!!」
そして役員の話し合いにより、その責任がナーゲルスマンにあるという結論に達した。オフだった22日に指揮官はスキーで気分転換をしていたというが、まさに寝耳に水の「解任」の決断が下された。
一方、バイエルン首脳はトゥヘルが他クラブに引き抜かれることを避けたいと考えていたそうだ。以前から優先順位は高かったが、なかなかタイミングが合わずにいた。そうしたなか、現在もスペイン1部レアル・マドリード、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCがトゥヘル招聘を画策していると言われていただけに、ここが決断を下す分岐点と見たのだ。
多くの日本人選手がプレーするドイツ・ブンデスリーガで10連覇を達成している絶対王者に起きた激震――。香川真司、武藤嘉紀、岡崎慎司らがそのコーチングのもと飛躍していったトゥヘルのバイエルン指揮官就任で、ドイツのみならず、ヨーロッパの戦力地図がまた変わるのだろうか!?