なでしこ新鋭ボランチコンビがドイツ戦でアピール。女子W杯まであと2か月
ドイツ戦で先発フル出場したなでしこジャパンの杉田妃和。写真:早草紀子写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
杉田妃和と三浦成美が躍動。阪口夢穂が本来のパフォーマンスを取り戻せるかが鍵に。
[国際親善試合] ドイツ女子代表 2-2 日本女子代表/2019年4月9日/ベンテラー・アレーナ
なでしこジャパン(日本女子代表)がフランス女子ワールドカップ(W杯)に向けて欧州遠征を行い、優勝候補のFIFAランキング2位のドイツと対戦。同7位の日本は常に主導権を握られ数多くのピンチを招いたなか、2-2のドローに持ち込んだ。
その一戦で、ボランチは22歳の杉田妃和(INAC神戸)と、21歳の三浦成美(日テレ・ベレーザ)の新鋭二人がコンビを組んだ。杉田は2014年のU-17女子W杯優勝メンバーで、2016年U-20女子W杯では3位ながらMVPを受賞。また、三浦も杉田とともに2016年のU-20女子W杯に臨んだ急成長中のタレントだ(2014年のU-17女子W杯は直前のケガで代表辞退)。
ドイツ戦では、杉田がフル出場、三浦が83分までプレーして猶本光と交代している。
このボランチコンビのパフォーマンスについて、高倉麻子監督は試合後、次のように語った。
「若い二人ではありますが、年代別代表の経験もあります。ボランチとしての仕事は整理されていて、この強度のなかで何ができるかを見たいと思いました。二人ともまだミスが多く、ゲームを引っ張ってコントロールする域にはまったく到達していませんし、これで『やれている』と思ってもらったら困ります」
指揮官はそのように咤したうえで、「ただ、よくチャレンジしてくれていたと思います」とも評価して続けた。
「二人の技術や判断でゲームが広がっていく場面も多く見られました。これで満足せず、細かいところを詰めていってほしいと思います」
昨年5月に負った右ヒザ前十字靭帯損傷および内側半月板損傷から復活を遂げてきた阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)の状態によっては(なでしこリーグ欠場が続いている)、W杯での若手の抜擢――大会中に進化を遂げるようなタレントも必要となる。むしろ、日本が世界一の座を奪還するには、そのような世界と対峙するなかで急激に突き抜けていくような存在が求められる。
フランスW杯本番に向けたメンバー選考。”あと数枠”で重視する点とは? 高倉監督は次のように語った。
「まず選手のコンディションもあります。そのうえで、全体的なポジションのバランスであり、経験のある選手が絶対に必要になる場面もあると思います。あとは若い選手の勢いをどのようにチームに入れていくか。帰国したあとコンディションも確認して、バランスをとってチームを編成したいと思います」
おそらくは阪口のことを指しているのだろう……。メンバーを巡る争いも、ここからラストスパートを迎える。女子W杯初戦まで、ちょうどあと2か月だ――。
▽フランス女子ワールドカップ
日本女子代表(なでしこジャパン)の日程
6月10日(日本時間11日午前1時) アルゼンチン女子代表戦
6月14日(日本時間14日午後10時) スコットランド女子代表戦
6月19日(日本時間20日午前4時) イングランド女子代表戦
文:サカノワ編集グループ