【引退会見】F・トーレスが鳥栖アドバイザー就任へ「組織改革」「若手育成」に着手すると明言
フェルナンド・トーレス。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
引退後、新たなクラブの象徴として、ビッグクラブを目指す。
サガン鳥栖のFWフェルナンド・トーレスが6月23日、東京都内のホテルで引退記者会見を行い、8月23日のホームの駅前不動産スタジアムでのヴィッセル神戸戦をラストゲームにキャリアを終えると発表した。また、引退後も鳥栖のアドバイザーとしてクラブに残ることも報告された。
フェルナンド・トーレスは引退を決断した理由について、「ベストのレベルに到達できていないのではないかという疑問を抱き、シーズン途中であり、さらにもう1年のオプション契約も残っていたが、ここでサッカー人生を終えるべきだと決断しました。J1リーグは本当にエキサイティング。サポーター、選手がとてもエキサイティングな時間を与えてくれました」と語った。
そして引退後について、「サッカー選手としてのキャリアは終えますが、アドバイザーとしてクラブに残り、鳥栖のためにすべてを尽くし、Jリーグを世界に広げていきたいと考えています」と明かした。
また、竹原稔社長も記者会見の途中から同席。フェルナンド・トーレスの今後について、「クラブに足りないものについて、今トーレスの持っているものを生かして、徐々に関係を深めながら、鳥栖の卓越したフットボールの象徴として、大きなクラブになれるようにしていきたい。具体的にはすでに動いているものもあるが、また改めて報告できればと思います」と説明した。
そのうえで、フェルナンド・トーレスは「組織改革」「若手の育成」に着手したいと、構想を挙げた。
「組織の改革、若手の育成に目を向けていきたいです。鳥栖のユース(U-18)には素晴らしい選手がたくさんいます。彼らを成長させてクラブを大きく伸ばしていきたいです。それにポジティブな考え方を持つ方たちと仕事をして、クラブも大きくしていきたいです」
「鳥栖の下部組織の選手たちはポテンシャルも高く、非常にテクニックも素晴らしく、昇格してレギュラーとして試合に出ている選手もいます。重要なのは、チームに対し、感謝、愛を持つこと。また、昇格してくればプロの選手です。常にトレーニングから全力を出していかないといけません。私が見てきた欧州の若い選手たちは、最初から堂々とプレーしていて、そこは見習っていくべきところではないかと思っています。自信があるのに見せ切れていないように感じますので、そこで力を発揮できる環境を作っていきたいです」
在籍は1年だが「SAGAN TOSU」の名前を日本のみならず、世界に広げた貢献度は大きい。鳥栖の新たな象徴として、フェルナンド・トーレスが日本で引き続き新たなサッカー人生を歩む。そのセカンドキャリアにも世界から注目が集まりそうだ。
文:サカノワ編集グループ