[1.17]阪神淡路大震災から28年、ヴィッセル神戸が“始動”した日。イニエスタら全選手が黙祷を捧げる
1月17日。阪神大震災から28年、黙とうを捧げる神戸のイニエスタ。(C)フィッシュ神戸/VISSEL KOBE
高校生だった吉田孝行監督、「ちょうど顔を洗っている時、飛ばされるような揺れで――」。
阪神淡路大震災から28年、J1リーグのヴィッセル神戸は1月17日、キャンプ地の沖縄で元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ、元日本代表FW大迫勇也をはじめ全選手・スタッフが黙とうを捧げた。
吉田孝行監督はクラブを通じて、次のようにコメントを発表した。
「震災の日が、クラブを立ち上げて初の練習となる始動日で、震災の影響で始動できず、選手もボランティアなどに参加したと聞いています。クラブにとっても忘れてはいけない日です。
自分は高校3年生で、その年からプロに入ることが決まっていました。いつもは滝川第二高校の寮にいるのですが、ちょうど全国高校サッカー選手権が終わって川西市の実家に帰省していて、学校に行く準備をしていました。ちょうど顔を洗っている時、飛ばされるような揺れで家の中のものが落ちたり、停電にもなって何が起きているか分からないような状況に陥りました。
自分にとっても、あの時の揺れの大きさや、感じた恐怖、目にした光景は、一生忘れません。もしも次に何か起きた時に自分に何ができるのか、何に備えるのかが大事になると思います。
今年は、沖縄でこの日を迎えましたが、1月17日を迎えると神戸、兵庫では追悼について様々な情報を目にしますし、亡くなったかたもたくさんいます。
僕らは生きているという喜びや楽しさを感じないといけないですし、サッカーを通して感動を与えたいと思っています。とにかく僕たちは一生懸命やるだけで、選手、スタッフ、ファン、サポーター、スポンサーなど関係者全てと団結して戦っている姿を見てもらいたいです」
また神戸ユース出身の山川哲史は次のようにこの日について語っている。
「今日で阪神大震災から28年が経ちました。僕はまだその時は生まれていなかったのですが、これまで兵庫県で生まれ育ってきたなかで、震災のことはこれまでも受け継がれてきました。被災された方の気持ちを、これからも僕たち世代が繋いでいく必要があると感じています。
僕は今幸せなことにヴィッセル神戸でサッカーができているので、ヴィッセル神戸の選手として、震災を風化させないように伝えていくことが今後も大事で、サッカーを通して、神戸と一緒に、これからも進んでいけるように、僕自身努力したいと思います。ヴィッセル神戸のチームとしても、これからもずっと神戸の街と共に歩んでいきたいです」