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【鹿島】横浜FM戦の逆転ドラマ、豪快ヘッド弾を決めた関川郁万「得点でも身体を張った守備でも、どんな形でもチームの助けになれればと思った」

鹿島の関川郁万。写真:上岸卓史/Takashi UEGISHI

ミス、VAR…それでも動じず「勝つためのメンタルがついてきました」。

[J1 17節] 鹿島 3–2 横浜FM/2024年6月1日15:03/ 国立競技場

 J1リーグ17節、 鹿島アントラーズが鈴木優磨、濃野公人、関川郁万のゴールで、横浜F・マリノスに3-2の逆転勝利を収め、リーグ4連勝で首位のFC町田ゼルビアと勝点35で並んだ。

「いいボールが来たなという感じでした」

 この日の逆転ドラマの”主演”と言っていいだろう。今季初ゴールを決めた関川は試合後、淡々と語った。

 試合開始10分、自陣ゴール前でのピンチの場面、ボールキープに成功した。ところが逆襲に向かうサイドへのパスをミス。ボールを逆に奪われたあと、横浜FMのアンデルソン・ロペスに先制点を決められた。

「ゲームを壊してしまったので申し訳なさがありました。そこからはチームを救いたい、勝たせたい気持ちがありました。得点でも、身体を張った守備でも、どんな形でもチームの助けになれればと思いました」

 32分、セットプレーから植田直通の折り返しを関川がヘディングで押し込み面目躍如、同点に追い付いた――と思われた。しかし、VARが介入した結果、オフサイドで取り消しに。さすがに喜びを爆発させていただけに、メンタルへの影響も大きかったに違いない。

 それでも関川のみならず誰もが集中を切らさず、チームは後半2-1と逆転に成功。そして84分、樋口雄太のフリーキックを、走り込みながらヘッドで合わせ、ゴールネットを揺らした。試合を決定づけた(はずだった)3点目を叩き込んだ。

「(試合中に)修正できる能力がつき、昨年は逆転勝利があまりなかったので、そうした勝つためのメンタルがついてきました」

 関川はそう頷く。

 ミスも、VARの動揺も……。全ては勝利へつながる一要素になっている。関川の渾身ヘッド弾は、チーム全体の勝利への渇望が凝縮されたような一撃となった。

「リーグ戦は長いので、内容にこだわっていきたいです」

 むしろ土壇場で喫した2失点目こそチームの課題になった。もっと手強いセンターバックになっていきたい。関川の伸びしろは、鹿島の可能性にも直結している。

取材協力/佐藤亮太

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