【柏】亀川諒史が語った古巣・福岡への感謝――”カメの恩返し”
亀川が左サイドバックでフル出場し、ちばぎんカップの勝利に貢献。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「走って貢献したい」と、新天地で生きるための”ヒント”を見出す。
[ちばぎんカップ]ジェフユナイテッド市原・千葉 1-4 柏レイソル/2018年2月4日/フクダ電子アリーナ
今季アビスパ福岡から柏レイソルに加入した亀川諒史が2月4日、ジェフユナイテッド市原・千葉との「ちばぎんカップ」で4バックの左サイドバックに入り、フル出場を果たした。前半は千葉の鋭い出足に耐え、後半に入り一気に4ゴールを奪って寄せ切り、チームの仕上がりの差を見せ付けた。それでも「チームとしての結果が出たのは良かったですが、個人としてはもっともっとやらないといけない」と、亀川は自身の課題を感じ取っていた。
大学との練習試合に続き、今回が加入後二度目の実戦形式での登場。約1万5000人が詰めかける注目の一戦に、亀川は「連係の部分では練習だけでなく、試合でもやっていかないと分からない部分がある」と手探りで感覚を掴みながら、周囲との呼吸も合わせていった。そのなかで改めて気付くことも多かったそうだ。
「福岡とは異なりボールを持つことができて、前線の選手の能力も高く、自分自身でなんとかしようというよりも、前の選手との関係性でランニングでフォローするなど、そういった意識のほうを高く持つようにできています。僕が走っていけるスペースがたくさんあり、回数も間違いなく増えるので、充実感はあります。そこは自分の良さを生かせる部分だと感じています」
亀川はそのように自分自身の特長の生かし方のイメージを掴んでいた。そして福岡でできなかった”恩返し”にも思いを馳せていた。
「あとは……福岡をJ1に上げられず、自分だけ個人昇格というような形になってしまいました。柏で試合に出て、福岡のサポーターや井原さん(正巳監督)に、試合に出ているところを見てもらわないと恩返しにならないと思っています。そこはしっかり意識してやっていきたいです」
湘南ベルマーレから移籍した2015年から3年間、右肩上がりで急成長を遂げた福岡での日々。恩師やサポーターへの感謝は忘れていない。柏を勝たせて、悲願であるタイトルを獲得する――”カメの恩返し”であり挑戦が、ここから始まる。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI