【なでしこJ】猶本光が2018年上々のスタート「いい入り方ができました」
今年最初の合宿で、猶本は「いい入り方ができた」と手応えを得ていた。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
合宿のメニューを考慮して、オフは無酸素系のトレーニングを中心に取り組む。
なでしこジャパン(日本女子代表)のトレーニングキャンプ最終日の1月19日、浦和レッズレディースの中心選手としての活躍も期待される猶本光が2018年の抱負を語った。
ボール奪取からの素早い判断で縦パスやサイドチェンジを織り交ぜて、攻撃の起点になる中盤のキーパーソン。昨季は浦和では2014年と並ぶ自己最多タイの公式戦27試合、なでしこジャパンではキャリア最多の国際Aマッチ7試合に出場した。FIFA女子ワールドカップ・フランス大会のアジア予選(アジアカップ)を控える今年は、さらなる飛躍が期待される。
「この合宿に備えて、皇后杯が終わったあとも(昨年12月21日、準決勝で日テレベレーザに敗れベスト4)あまり休まず、体を動かしていました。この合宿では有酸素系のトレーニングをすると聞いていたので、オフは他の部分を重視して取り組みました」
年末年始はそのようにメリハリをつけて過ごした。昨年5月に浦和レッズレディースに加入した安藤梢との合同練習では、無酸素系のスプリント系のメニューをメインに負荷を掛けたという。
なでしこジャパンの高倉麻子監督は「昨年は戸惑う選手がいたが、今年は自覚を持って取り組んでくれた。1年間続けてきた選手は確実にレベルアップしている」と語っていた。しっかり準備をして臨んだひとりが猶本だったことが分かる。
とはいえ、心肺機能を追い込む連日のトレーニングはやはり過酷だった。さらに午後にはウェイトトレーニングも実施。今回の5日間、猶本は「まあ、なんとかできました(笑)。対人のボールを使ったトレーニングもして、ケガをせずに、いい入り方ができました」と、好感触を掴んでいた。
2018年の目標は「昨年に引き続き、ケガをせず1年間、課題に取り組み成長し続けること」を掲げる。
さまざまな課題があるなかでも、「体力面では、何本も上下動を繰り返し、スプリントができて、スピード持久力もさらにつけること。あとは単純にスピードアップも必要だと思っています。技術面では、戦術や判断の速さを上げていきたいです」と、具体的に挙げていた。
今年24歳の‶年女”でもある猶本は、「大学(筑波大)に進んでから毎年、課題にアプローチをすることで成長できていると実感してきました。まずはレッズでなでしこリーグの試合に出て、いいパフォーマンスを見せることが大事。それが代表にもつながっていければ」と、目の前の一つひとつの戦いに集中する決意を示す。その先――、新たなる世界が待っているはずだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI